8月25日、訪米してトランプ大統領と会談した韓国の李在明大統領(写真:AP/アフロ)
韓国メディアが「成功」と激賞した米韓間の通商交渉が、実は膠着状態に陥っていることが判明した。
最近、韓国が米国に約束した3500億ドル規模の投資ファンド運用方式において、両国が意見を狭めることができない状況にあることが分かった。いよいよ韓国では「3500億ドルを支払うよりはむしろ25%関税を払った方がマシだ」という専門家たちの意見も登場した。
ただ、関税交渉が決裂すれば、関税リスクはもちろん、長い間構築されてきた米韓関係への悪影響も避けられないと思われる。
高評価された関税交渉だったが…
7月31日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権は米国との関税交渉妥結に関するブリーフィングを開き、「米国が相互関税と自動車品目別関税を25%から15%に調整する条件で、韓国は米国に3500億ドルを投資することを約束した」と発表した。
韓国政府は、3500億ドルの対米投資に対して「大部分が貸し出しと保証で構成され、直接投資費用は非常に低いだろう」と説明したうえ、投資分野に対しても「造船、半導体、原発、二次電池、バイオなど韓国企業が競争力を保有した分野になる」とし「韓国企業が主導することになるだろう」と説明した。なお、これが日本よりもいい条件であることも強調した。
政府発表を受けて韓国メディアからは、「善戦した」(中央日報)、「最恵国待遇を受けた」(京郷新聞)、「競争国に比べて不利でない条件で妥結した」(ハンギョレ)といった賛辞が続き、李大統領の支持率も上昇した。
ただ、関税交渉に関する合意文が出ると予想されていた8月25日のトランプ=李在明の間の最初の米韓首脳会談では合意文が出されず、非公開会談の内容も一切公開されなかった。
合意文が発表されなかったことに対する記者たちの質問に、大統領室は「合意文が必要ないほど成功的だった」と返答した。韓国のマスコミも、首脳会談冒頭の公開部分で称賛を交わす両首脳の和気あいあいとした姿だけを特筆し、韓国国民に「李在明政権下でも韓米関係は堅固だ」と信じさせた。
WACOCA: People, Life, Style.