タリバンが英国人夫妻解放、2月から拘束 カタールが仲介

2月にアフガニスタンでイスラム主義組織タリバンに拘束されていた英国人夫妻が19日、カタールの仲介により解放され、空路でドーハに向かった。機内の夫婦(右)、カタールと英国外交官と19日撮影した提供写真(2025年 ロイター)

[ドーハ 19日 ロイター] – 2月にアフガニスタンでイスラム主義組織タリバンに拘束されていた英国人夫妻が19日、カタールの仲介により解放され、空路でドーハに向かった。関係当局が明らかにした。

解放されたのはピーター・レイノルズさん(80)と妻のバービーさん(76)。2月1日にタリバン暫定政権の内務省に身柄を拘束された。夫妻の家族は、健康状態に深刻な懸念を表明していた。

バービーさんは飛行機に乗る際、自分たちはアフガンの市民で「できれば」戻りたいとしたが、今は家族に会うのを心待ちにしていると述べた。

拘束当時、タリバンの内務省報道官はロイターに対し、英国籍2人、米国と中国の二重国籍者1人、通訳1人の計4人を拘束したと述べていた。

英国のPA通信によると、夫婦は中国系アメリカ人の友人フェイ・ホールさんと研修事業に携わる通訳とともに逮捕された。ホールさんはカタールの仲介で3月に解放された。通訳に関する情報は現時点では得られていない。

関係筋によると、カタールは夫妻の解放に向けて、英政府や夫妻の家族と連携し、数カ月にわたりタリバン当局と交渉を続けていた。「8カ月間の拘束中、夫妻はほとんど別々に拘束されていたが、カブールのカタール大使館は、医師の診察や医薬品の配達、家族との定期的な連絡といった重要な支援を提供した」という。

BBCは2月、タリバン当局者の話として、アフガニスタン中部バーミヤンで非政府組織(NGO)のために働いていたとみられる2人の英国人が拘束されたと報じた。ある当局者は、地元当局に連絡することなく飛行機を使用したため逮捕されたと述べたという。

英紙サンデー・タイムズによると、夫妻は18年間、アフガニスタンの学校でプロジェクトを運営しており、タリバンが実権を掌握した後も滞在を続けることを決めていた。

アフガニスタンの外務省報道官は「(アフガニスタンは)市民に関する問題を政治的もしくは取引的な観点から見ていない」とXに投稿。夫妻がアフガンの法律に違反したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

英国のアフガニスタン特使を務めるリチャード・リンジー氏はスカイニュースに対し、カタールに感謝すると表明し、夫妻は非常に喜んでいると述べた。夫妻が拘束された理由は明らかでないとしている。

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