カナダのカーニー首相とメキシコのシェインバウム大統領は、来年予定されている米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しを前に緊密に連携する方針を確認した。USMCAを巡ってはトランプ米大統領の関税政策により先行きの不透明感が増している。

  両首脳は、メキシコの国立宮殿で開かれた共同記者会見で、北米の競争力を高めるとする成果を強調した。北米では、自動車産業が緊密に結び付き、エネルギーや農業などの分野で大規模な国境を越えた取引が行われている。

  カーニー首相によるシェインバウム大統領への歩み寄りは、米国との通商協議の進め方を巡る対立を経て、関係再強化を図る動きの一環となる。両国は共に、鉄鋼や自動車、農産品への輸入関税引き下げをトランプ氏に働きかけている。

  カナダのトルドー前首相とメキシコのロペスオブラドール前大統領の間では冷え込んだ関係が表面化することもあったが、今回の会談は両国の結束を示す形となった。

  カーニー首相は、メキシコと「間違いなく共に前進する」とし、USMCAの3カ国体制の強みを強調。「北米は世界がうらやむ経済圏だ。その一因は、カナダとメキシコ、そして米国との協力関係にある」と述べた。

  両首脳は「新カナダ・メキシコ・アクション・プラン」と呼ぶ枠組みも発表する一方、インフラやエネルギー、農業分野での二国間貿易の成長機会を強調した。カナダ首相府の声明で明らかになった。

  シェインバウム大統領は枠組みについて「われわれの経済関係をさらに強化できる段階の幕開けとなる」と語った。

Mark Carney and Claudia Sheinbaum

カーニー首相とシェインバウム大統領

Photographer: Manuel Velasquez/Getty Images

 

原題:Canada, Mexico Pledge Coordination on Trade Pact Review With US(抜粋)

— 取材協力 Maya Averbuch and Laura Dhillon Kane

WACOCA: People, Life, Style.