斎藤元彦兵庫県知事(写真:松尾/アフロスポーツ)
私は、この連載の第一回で兵庫県の斎藤元彦知事を「暗君」と評しました。それは、渡瀬康英・西播磨県民局長による告発の真偽を確認する前に「事実無根」と切り捨て、告発自体を「反逆」ととらえ、内部通報保護制度がありながら、その担当部署に相談もせず、一人の判断で停職3カ月の懲戒処分をしてしまったからです。
もしこの斎藤知事の渡瀬局長に対する行動が、「内部告発は企業や組織発展のために必要な措置である」と考える外国で起こっていたら、どのように判断されたでしょうか。
海外では厳格に定められている内部告発があったときの扱い
例えば、オーストラリアでは、内部告発について、以下のように判断されます。
① 公益通報者の定義
2019年に法律が改正され、匿名の通報も保護の対象となり、通報者の身元特定につながる情報の開示は、原則として通報者の同意がない限り禁止されています。
② 報復措置等の禁止
通報者は民事、刑事、行政上の責任を免れるとともに、通報者に対する解雇・降格・差別など報復的措置を含む不利益行為は原則として禁止されています。
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