公開日時 2025年09月18日 05:00


民間機も利用する岩国基地で、陸上離着陸訓練する在日米海軍の空母艦載機=17日午後、山口県岩国市

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琉球新報朝刊

 在日米海軍の空母艦載機による陸上離着陸訓練(FCLP)が17日、山口県岩国市の岩国基地で始まった。訓練に通常使う東京都の小笠原諸島・硫黄島の噴火によるもので、岩国での実施は2000年9月以来。訓練は夜間も行われた。市は激しい騒音をもたらし容認できないとして、実施しないよう求めていた。
 F35Cステルス戦闘機やFA18戦闘攻撃機が、滑走路に着地してすぐ離陸する「タッチアンドゴー」を繰り返し、周囲は大声でも会話できないほどの爆音が続いた。
 訓練は土日や祝日を除く26日まで、日中の午後1時半~4時半と夜間の午後6時45分~9時45分を予定。市と県の担当者が基地近くの堤防から状況を目視。市によると、日中の訓練は午後4時52分まで、計66回のタッチアンドゴーを確認した。
 地元市民団体は時間外の訓練について、日本政府と米軍に抗議するよう求める文書を市に提出する方針を示した。
 FCLPは空母艦載機パイロットの練度維持・向上のため、陸上にある滑走路の一部を空母に見立てて離着陸を繰り返す。政府は鹿児島県の馬毛島に滑走路を整備中で、完成すれば硫黄島から移転する。
 12年には基地の滑走路を利用した軍民共用の岩国空港が開港。基地の機能強化に反対する市民団体の久米慶典事務局長(69)は「25年前とは違い、民間機も利用している。市民生活に打撃を与えるすさまじい騒音だ」と反発。硫黄島の噴火が続いた場合には日本中の他の基地でも行われる可能性があると懸念を示した。

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