太鼓を受け取った児童たちと県人会のメンバー

太鼓を受け取った児童たちと県人会のメンバー

 横浜・鶴見沖縄県人会(金城京一会長)が9月9日、市立市場小学校に沖縄の手持ち太鼓、パーランクー40個を寄贈した。同校の運動会で毎年4年生がエイサーを踊る際に同太鼓が不足しているのを聞き、沖縄文化継承の一環として同校に初めて寄贈。児童からは「このパーランクーで沢山練習して、最高の運動会にします」と喜びの声が聞かれた。

 同県人会では、沖縄文化の継承と普及のため、これまでも区内の学校にパーランクーなどを寄贈してきた。沖縄タウンのある仲通の近隣の入船小学校や汐入、潮田などで寄贈を行ってきたが、市場小では初めて。

 きっかけは、昨年度に同校4年5組の児童が総合学習の時間に沖縄文化について調べ、サーターアンダギー作りに挑戦したこと。同クラスの担任が沖縄出身で、県人会に協力を呼び掛けて実現。その後も交流を重ねる中で、同校運動会で毎年4年生が踊るエイサーでパーランクーが不足していることを聞き、今回の寄贈に至った。

 横浜市内でも最多規模の児童数の同校。今年度の4年生は7クラスで200人以上が在籍。これまでの運動会では、太鼓の不足分を近隣の小学校から借りていたが、今回の寄贈で1人1つを手にすることができる。

 9日に行われた寄贈式には、県人会から下里優太さんと石川元信さんの2人が出席。各クラスの代表にパーランクーを手渡し、「これで沢山練習してください。運動会でのエイサー演舞を楽しみにしています」と語りかけた。同校の重田英明校長は県人会に感謝を述べ、児童からは「最高の運動会にします。これをきっかけに沖縄についても調べてみたいです」との感想が聞かれた。下里さんは「これをきっかけに、子どもたちがより沖縄に関心を持つきっかけになれば。今後も沖縄文化の継承と普及のため、希望があれば他の学校でも寄贈などを続けていきたい」と語った。

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