長崎くんちの踊町の見どころを紹介するシリーズは『新橋町』を紹介します。

本家本元の「阿蘭陀万歳」(おらんだまんざい)。

今回の奉納のテーマは “つなぐ”。まちの思いを未来につなぎます。

【NIB news every. 2025年9月3日O.Aより】

◆“本家本元”の「本踊 阿蘭陀万歳」を自負

新橋町の「本踊 阿蘭陀万歳」。

主人公は、長崎にやってきた2人のオランダ人です、

鼓を持った “才蔵” と、うちわを手にした “万歳” が、テンポよくコミカルな動きで観客を沸かせます。

日本舞踊の花柳流が1933年に創作した独自の舞踊で、新橋町は1951年、長崎くんちで初めて奉納。

「本家本元」を自負します。

(新橋町くんち奉賛会 本馬 健三会長)
「本踊 阿蘭陀万歳を奉納するにあたり、長崎検番と新橋町の良縁が相整い、誠に喜ばしくうれしく思う。
幾久しく納めてもらえればありがたい」

大役を担うのは、長崎検番の “芸妓衆”。

才蔵役を桃羽さん、万歳役は茶々丸さんが務めます。

(才蔵役 桃羽さん)
「新橋町の皆さんのすべてを背負って神様に届ける気持ち一つでやっていきたい」

(万歳役 茶々丸さん)
「演技があるし、今まで以上に稽古を頑張ってしないといけないと思っている」

◆芸妓が “西洋のものをコミカルに”踊る大変さ

週に2、3回のペースでくんちの稽古に励む 桃羽さんと茶々丸さん。

指導するのは10年前と同じ、花柳孝光央 師匠です。

この日は、三味線や唄を担う地方(じかた)との初めての合同稽古。

生演奏とタイミングを合わせるように踊りますが…

(花柳 孝光央 師匠)
「阿蘭陀万歳のところが少し走りすぎているような感じがします。
 そこをこれから合わせていただいて」

(才蔵役 桃羽さん)
「音を聞いて動いていかないといけない。思っていた間と違うところがあったりして、細かく練習していかないといけない」

(万歳役 茶々丸さん)
「組むこと自体、初めてですもんね」

(才蔵役 桃羽さん)
「一緒にできてよかった」

初めてペアを組むという2人。稽古を重ねるにつれ、ある課題が…。

(花柳 孝光央 師匠)
「(動きを)もっと大きく。見ている人からは見えない」

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