ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.09.17 09:07
70年代まで漢江開発が洪水を防いで道路・宅地を建設するためのものだったなら、80年代には本格的に公園化が進められた。ソウルオリンピック(五輪)招致決定直後の81年10月。全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が指示を出した。「ソウル地域の漢江の骨材と河川敷を活用する案を検討するべきだ」。そして「漢江総合開発基本計画」が誕生した(『漢江1968』、キム・ウォン著)。「川に遊覧船が浮かぶ」漢江を作るための事業だ。南側の江辺道路を拡張し、一部の区間は新しく建設してオリンピック大路を開通した。河川敷には公園が造成され、遊覧船を運航できるよう川を浚渫した。その後も「漢江ルネサンスプロジェクト」などを推進し、漢江は少しずつ変身した。
現在、漢江公園は一日平均21万人、年間7700万人が訪れるところになった。今後ソウルは漢江をどのように抱えていくのか。漢江はソウルをどのように作っていくのか。
漢江を訪れる外国人が異口同音に話すことがある。「なぜこのように良い河川に船がないのか」。実際、そうだ。遊覧船はあるが、川が広くて大きいためそれだけでは物足りない感じだ。「消えた大型テレビの画面のように作動しない感じ」という人もいる。
◆潜水橋を釜山の影島大橋のような跳開橋に
振り返ってみると、我々が利用しているのは漢江自体でなく河川敷だけだ。核心である漢江はただ眺める対象だ。今はもう我々も漢江そのものを利用する時ではないだろうか。漢江にさまざまな船が浮かぶ姿が空前のヒットとなった「K-POPデーモンハンターズ」の続編などで世界に伝えられる場面を想像してほしい。漢江に大きなヨットも浮かべるために潜水橋の中間の部分が開く「跳開橋」に変えることも検討可能だ。ロンドンのテムズ川の名物タワーブリッジや釜山の影島大橋のように。
ソウル市が推進する漢江水上バス運航、ヨット係留場の増設、水上ホテルの建設などもすべて「眺める」漢江を「利用する」漢江に変えようという試みだ。しかし遊覧船・水上ホテルよりさらに重要なのはその中を満たすコンテンツだ。どのような文化を味わえるようにするかだ。
K-POP、K-フード、「漢江の奇跡」ストーリーなどでコンテンツを構成することができる。我々の文化だけでなく全世界のファッションのような融合型コンテンツも可能だ。K-POP練習船、漢江渡し船、漢江灯祭りなども考えられる。漢江の文化とコンテンツを先導できるコペルニクス的発想が求められる。文化のソフトパワーが大きなグローバル影響力を持つ現在、漢江の第2の奇跡は文化・観光・コンテンツの奇跡でなければいけない。世界が共に夢見て楽しめる漢江、それが我々が作っていくべき未来だ。
ハン・ボムス/京畿大名誉教授/元漢江市民委員長
<創刊企画「大韓民国トリガー60」㉚>「洪水頻発」の漢江に堤防…年間7700万人が訪れるランドマークに(1)
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