気候変動、2050年までに150万人超に深刻な影響 豪で報告書

オーストラリア・ゴールドコーストでの海岸侵食(2025年3月9日撮影)。(c)David GRAY/AFP

【AFP=時事】気候変動による海面上昇と沿岸域での水害が、2050年までに約150万人のオーストラリア人の住居と生計を脅かし、高温に関連した疾病による死者数が急増するとした報告書が15日、公表された。オーストラリア政府は今後、温室効果ガスの排出削減目標を発表する予定で、報告書はこれに合わせてまとめられた。

報告書は、2050年までに沿岸地域に住む150万人が海面上昇と沿岸域での水害リスクに直面すると指摘。さらに2090年までには、約300万人が海面上昇の影響を受けるおそれがあるとしている。

海面上昇の影響は、最北端の温暖な海域に点在するトレス海峡諸島のような場所で特に顕著で、その進行は世界平均を大きく上回る。

オーストラリアの不動産価値の損失は、2050年までに6110億豪ドル(約60兆円)に達し、2090年までには7700億豪ドル(約76兆円)に拡大すると推定されている。

また、気温が3度上昇した場合、オーストラリアで最も人口の多い都市シドニーでは、高温関連の疾病による死者数が400%以上増加する可能性があると報告書は警告している。

クリス・ボーウェン気候変動相は「私たちは今、気候変動のただ中に生きている。もはや予測や想定ではなく現実の問題であり、影響を回避するには遅すぎる」と述べた。
【翻訳編集】AFPBB News

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