インド、米通商代表と16日にニューデリーで貿易交渉

インド政府は、米国との貿易交渉を16日にニューデリーで開催すると発表した。写真は西部グジャラート州カンドラのディーンダヤル港近くを走る貨物列車。4月5日で撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)

[ニューデリー 15日 ロイター] – インド政府は、米国との貿易交渉を16日にニューデリーで開催すると発表した。インドのラジェシュ・アガルワル首席交渉官は、訪問する米国のブレンダン・リンチ南アジア担当通商代表と交渉するとし、今回は2国間貿易交渉の一環になると説明した。

トランプ米大統領は、ウクライナに侵攻したロシアへの圧力強化の一環として、ロシア産原油を購入しているインドに25%の懲罰的関税を課し、インドからの輸入品に対する「相互関税」を50%へ倍増させた。しかし、トランプ氏はインドとの貿易協定をまとめられるとの楽観的な見方を先週示し、今回の交渉も踏まえて突破口が開けるとの期待感が高まっている。

米国側は当初、8月25―29日のニューデリー訪問を予定していた。しかし、インドが農業・酪農分野の幅広い市場開放に抵抗したため、交渉が中止された。

ただ、トランプ氏が駐インド大使に指名したセルジオ・ゴア氏は今月11日の米議会上院外交委員会の公聴会で、関税問題を巡る米国とインドに「それほどの隔たりはない」と話し、数週間以内に相違点を解消できるとの見解を示した。

インド貿易省によると、8月の対米輸出額は68億6000万ドルとなり、7月の80億1000万ドルから減少。インドのモノの輸出額全体では8月に351億ドルと、9カ月ぶりの低水準となった。7月は372億4000万ドルだった。

インドの8月の貿易赤字は264億9000万ドルに縮小した。

輸出関連企業によると、米国がインドの輸入品に課した懲罰的関税は8月27日に発効したため、9月には影響が全面的に顕在化する見込みだ。

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Manoj Kumar

Manoj Kumar is a Senior Economics Correspondent based in New Delhi. He covers macroeconomy with a focus on India’s economic policies for manufacturing, trade and the rural economy. He has written on a broad range of topics including India’s annual budgets, taxation, inflation, youth unemployment, protests and the impact of government policies on people. Previously, he worked with the PTI news agency and The Tribune newspaper covering ministries of finance, commerce & industry, and petroleum besides parliament.

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