トランプ米大統領は、中国の習近平国家主席と19日に話すと述べた。米中は今週、高官による貿易協議を実施。協議では、字節跳動(バイトダンス)が展開するTikTokの米国内での運営を維持するための枠組みで合意した。

  トランプ氏は15日、ソーシャルメディアに「習国家主席と金曜日に話す。米中関係は依然として非常に強固だ!!!」と投稿した。

  ベッセント米財務長官は、マドリードでの協議終了後、記者団に対し、TikTokを米国内で運営し続けるための枠組みに合意したと説明。トランプ大統領と習主席が会談し、合意を完了させると述べた。具体的な条件については明らかになっていない。

  「トランプ大統領と習主席は金曜日に会談し、合意を完了させる。だがTikTokに関する合意の枠組みは既に存在する」とベッセント氏。「TikTokを米国の管理下に置かれた所有形態に切り替える枠組みだと考えている」と述べた。

  TikTokは、米国での事業売却の猶予期間締め切りが今週に迫っている。トランプ氏は既にこの期限を複数回延長し、TikTokの継続を認めてきた。

  ベッセント氏は、米国内でTikTokを停止させるという脅しこそが、最終的に枠組み合意を成立させる決め手になったと説明した。

  マドリードでの協議終了後、ベッセント氏はインタビューで「中国側はTikTokに関して大きな要求リストを持ち込み、それを補償と呼んでいた」と発言。「だがトランプ大統領がグリア米通商代表部(USTR)代表と私に与えてくれた交渉上の力を背景に、米国として大幅な譲歩の余地はないことを中国側に納得させることができた」と述べた。

  滞在先のホテルからインタビューに応じたベッセント氏は、「実際のところ中国が得たのは、起こり得ないことに関する約束であり、何かを引き出したわけではない」と述べた。

  また米当局者は15日、TikTokを巡り何も合意していなかったら、10月末に韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせてトランプ氏と習氏が対面で会談する可能性は排除されていただろうと説明。またトランプ氏の中国公式訪問の可能性もなくなっていたと語った。当局者は、デリケートな問題だとして匿名を条件に語った。

関税の停止

  米中の高官協議は9月に入り活発化。APECにはトランプ氏と習氏が共に出席する見通しで、直接会談の可能性がある。先週には、ルビオ国務長官とヘグセス国防長官が中国側のカウンターパートと会談した。

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  両国は互いに課した高関税措置を一時停止しており、最新の期限は11月中旬となっている。

  グリアUSTR代表は15日に記者団に対し、11月の期限到来時に関税停止措置をさらに延長する可能性を示唆した。

  「協議が今後も前向きに進めば、さらなる措置を検討する用意がある」とグリア氏は述べた。

次のラウンド

  ベッセント氏とグリア氏はマドリードでの協議について、焦点はTikTokに絞られ、他の議題は事実上先送りされたことを明らかにした。ただ中国側は、米国による輸出規制への懸念を提起したという。

  14日の協議を前に、中国は米国の半導体分野を対象に2件の調査に着手した。それより先に米国は、半導体メーカーを含む中国企業23社を、「米国の国家安全保障や外交政策上の利益に反する活動に携わっている」と見なされた企業のリストに追加していた。

  ベッセント氏は15日、記者団に対し、「約1カ月後に別の場所で再び貿易協議を行う」と述べた。ベッセント氏はこれまで5月にジュネーブで、6月にはロンドンで中国の何立峰副首相と協議している。韓国でのAPEC前に米中間で貿易合意に至ることができるかは「まだ不透明だ」と、ベッセント氏は語った。

  「われわれはTikTokに非常に注力し、中国側にとって公正であると同時に米国の国家安全保障上の懸念を完全に尊重する合意であることを確実にすることに重点を置いた。その点は確実に合意に達した」とベッセント氏は説明した。

原題:Trump to Speak to Xi Friday With TikTok Framework Reached (2)(抜粋)

Bessent Says Trump’s Threat of TikTok Shutdown Delivered Deal

(ベッセント氏のTikTokに関する発言をさらに追加し、更新します)

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