株式会社HAKKI AFRICAは、2025年9月1日付で「株式会社HAKKI GROUP」へ商号を変更しました。これまでケニアをはじめとするアフリカ市場でフィンテック事業を展開してきた同社は、事業領域をさらに拡大し、グローバルな展開を見据えた新体制を発表しました。

今後はIPO準備やガバナンス強化を進めながら、南アフリカやインドへの事業展開を推進していきます。

アフリカ市場から広がる新興市場への展開

HAKKI AFRICAは、設立以来ケニアを中心にタクシードライバー向けの金融サービスを展開してきました。

新興国では、銀行融資に必要な書類や頭金を準備できないドライバーが多く、車両をオーナーからレンタルする形で生計を立てるのが一般的です。

同社は独自のアルゴリズムを用いたクレジットスコアリングを開発し、与信判断を効率化しています。リスクを抑えながらもドライバーに車両購入用ファイナンスを提供することで、多くのケニア人ドライバーの自立を支えてきました。

今回の商号変更は、アフリカのみならず南アフリカやインドといった新興市場への事業拡大を見据えた戦略的決断です。

「HAKKI GROUP」という新たな名称には、地域を超えて世界中で金融包摂を実現していくという強い意志が込められています。

新役員体制でIPOと成長加速を目指す

商号変更と同時に発表された新役員体制には、アフリカや新興国市場に精通した人材が加わりました。

新たに取締役CFOに就任した杉山智行氏は、クラウドクレジット創業を通じて新興国向け融資事業の実績を積み、戦略策定と資金調達の知見を活かします。

また、社外取締役の反田広人氏は、豊田通商でアフリカ自動車事業に従事し、現在はエジプトやナイジェリアでスタートアップ投資を展開しています。

さらに、深川康介氏はベイン・アンド・カンパニーでヨハネスブルグを含む複数拠点で戦略立案を経験しており、アフリカ市場に精通しています。

加えて、三井物産で長年ファイナンス分野を担ってきた早野潔氏が監査役として就任しました。

これらの人材登用は、今後予定されているIPOやグローバル展開に向け、経営基盤とガバナンスの強化を目的とした布陣です。

金融包摂を推進するHAKKIのこれから!

HAKKI GROUPの事業の根底には、「誠実な努力が報われる社会をつくる」という理念があります。

特に新興国では、18億人以上が十分な金融サービスにアクセスできていないとされ、融資を受けられない人々が生活や事業拡大の機会を失っています。

HAKKIはテクノロジーを活用し、信用を築く人々に資金を届けることで、金融包摂を実現しようとしています。

ケニアでの成功を基盤に、2025年からは南アフリカやインドへと市場を拡大。同社のクレジットスコアリングは、単なる金融サービスにとどまらず「誠実さが価値になる」新しい社会の仕組みを形づくるものです。

アフリカから始まった挑戦が、世界の金融格差を埋める大きな流れとなることが期待されています。

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