【コロンバス(米オハイオ州)=佐藤成】日本代表(FIFAランキング17位)が、米国代表(同15位)に0-2であえなく敗れた。

6日(同7日)のメキシコ戦(0-0)から中2日、約3000キロの移動に3時間の時差も伴う中、先発メンバー11人を総取っ替え。MF遠藤航、MF久保建英らコアメンバーをベンチに温存した中、スコア以上の完敗だった。GK大迫敬介(26=サンフレッチェ広島)の堅守が光ったが、チームは米国遠征を1分け1敗の無得点で終えた。

来年6月11日(日本時間12日)開幕のFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会開幕まで9カ月となった中でのホスト国との強化試合。森保一監督はJリーグ組4人を先発に起用した。最年長38歳の長友佑都(FC東京)が国際Aマッチ144試合目となる先発出場を果たし、キャプテンマークを託された。

スタートメンバーは、GK大迫、3バックは右から関根大輝、荒木隼人、長友。ボランチは藤田譲瑠チマと佐野海舟、ウイングバックは右に望月ヘンリー海輝、左に前田大然。シャドーの右に伊東純也、左に鈴木唯人、1トップに小川航基が入った。

米国も3-4-2-1と並ぶ「ミラーゲーム」。互いにハイプレスをかけ、敵陣でのボール奪取からゴールを狙う展開となった。特にFWプリシッチを軸とした相手の素早いショートカウンターに手を焼いた。

前半18分には自陣で佐野海のパスがずれたところを奪われ、最後はFWバルガスにシュートを打たれたが、GK大迫が素早く体を寄せてセーブ。難を逃れた。同21分に長友のクロスから望月がヘディングで狙ったが、GKフリースの正面で得点はならなかった。

一進一退の攻防が続いた中、前半30分に均衡が破られた。左DFアーフセンに対峙(たいじ)した望月が縦への突破を許し、クロスボールをFWセンデハスに左ボレーでゴール左隅に流し込まれた。

1点を追う日本は前半35分に敵陣でのボールカットから鈴木がゴール前へスルーパス。伊東がワンタッチで押し込もうとしたが、GKフリースの正面でセーブされた。

前半38分には自陣でのボールロストからFWプリシッチに持ち込まれたが、ここは素早くブロックを作り防いだ。逆に同45分には佐野海が左足で狙ったがブロックされ、同46分には鈴木が左の角度のない位置からパンチの利いたシュートを見舞ったがセーブされた。

後半開始、森保監督が動いた。前半に右足首を痛めた長友を下げ、左サイドにDF瀬古歩夢が入り、望月を下げて4-2-3-1の並びに変更した。2列目は右に伊東、中央に鈴木、左に前田に配備し、反撃を試みた。

しかし主導権を握れない中、後半9分にピンチを招く。左からプリシッチにドリブルで2人をかわされ、エリア内に持ち込まれて強烈なシュートを浴びた。大迫のセーブで失点は免れた。

日本は後半17分に藤田、鈴木、前田を下げて、MF鎌田大地、南野拓実、三笘薫を投入。巻き返しを図ったが、逆に19分に追加点を奪われた。プリシッチに力強くドリブルで持ち込まれ、スルーパスをFWバログンに左足で流し込まれた。プリシッチの単独を止められずに、2選手のコンビネーションであっさり失点。森保監督も唇をかむしかなかった。

後半28分には小川、望月を下げてFW町野修斗、DF菅原由勢を送った。本番を見据えて選手層の底上げを狙った一戦。森保監督は多くの選手をピッチに送り出すことで、チームの経験値を高めることにフォーカスした。だが攻め込まれる時間帯が多く、後半33分にも大迫のビッグセーブで失点は免れたが、再三に渡り米国の鋭いカウンターを受け続けた。同38分には強烈なシュートを浴び、ここはクロスバーに救われた。その後も大迫のファインセーブでしのいだ。

一矢報いたいところだが、攻めきれぬ歯がゆい展開が続いた。期待の三笘も左から打開できず、メキシコ戦に続き2試合連続の無得点試合となった。惜しい場面こそあったが、W杯を見据えた強化試合で、収穫よりも厳しい現実を味わった。

3バックに加え、4バックも試した森保監督は「選択肢を増やす意味で試しました。整理していいけば今後の我々の力になる」と話した一方で、無得点に終わった攻撃に関しては「世界と戦う上でクオリティーを上げていかないといけない」と課題を口にした。

次戦は10月10日に大阪・パナスタでパラグアイ代表と、同14日に東京・味スタでブラジル代表と対戦する。

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