取材中に耳にした、地元のウワサ。その真相を追究すればするほど……おもしろすぎた!
今回は「地域を盛り上げているのは超個性的な人だった!」をテーマにお届け。皆さん自分の個性や特技を活かして、まったく違うアプローチで、愛する地元に貢献している。なるほど、こんな町おこしがあったのか――。SNSでバズっている「コレナニ? わかやま珍百景」もご紹介!
写真甲子園で優秀賞
「神島高校写真部」が伝えたいこと
地元で撮影した、命の横のつながりをテーマにした『いま、』
初戦を勝ち進んだ作品。花の中で生きる虫、祭りの炎、さばかれた鶏、解体された鹿、義足の女性、双子、妊婦と新しい命。知り合いなどに声をかけ自分たちの身近な場所で、「命」をテーマに撮影。
さばかれた鶏、燃え盛る炎、妊婦さんのおなか……。「命の横のつながり」をテーマに撮影されたこれらの力強い写真は、すべて県立神島高校写真部の作品。地元で撮影され、全国高校写真選手権「写真甲子園2024」の初戦審査会を勝ち抜いた8枚だ。実は神島高校はこの大会の常連で、過去には3年連続で全国優勝し、2024年は優秀賞を獲得した強豪校なのだ。
指導する顧問の恵納崇先生が大切にしているのは、テクニックではなく、「カメラを通して被写体の力を借り、向こうの世界とを行き来しながら、その瞬間を切り取る。そこに生まれる偶然がおもしろい。生徒にはそれを感じてほしい」。部員は地元で祭りや消防署員が働く姿を撮ったりしながら、地域の人びとと密接につながり、「神島の子」と呼ばれている。「写真を撮ることはいろいろな世界とつながること!」とキラキラした瞳で語る高校生たちを応援したい。
「写真甲子園」とは
1994年に開始。毎年5月に初戦審査会が行われ、それを勝ち抜いた80校が全国を11ブロックに分けたブロック審査会に進む。そこで選ばれた優秀校18校は、北海道・東川町にて同一条件下で撮影する本戦を戦うなどして、高校写真部日本一を目指す。
\写真を撮ることは、世界とつながること!/
初戦の写真を撮った部員たち。(左から)2年・横尾凛さん、2年・山中すみれさん、3年・丸山世梨加さん、3年・鈴木月渚さん。
県立神島高校
田辺市文里2-33-12
https://www.tanabe-ch.wakayama-c.ed.jp
「本町」には文化交流の場の「本屋」がある
ミントグリーンの鉄骨が目印
本町文化堂
和歌山市本町3-6
https://www.books-plug.com
洋裁学校だった4階建てのビルを改装した〈本町文化堂〉は、コミック、雑誌から一般書籍まで取り揃える、いわゆる“町の本屋さん”。歴史的な郷土資料も含め、地元の人たちからの買い取りを中心に、古書も取り扱う。
【2F】イベントスペース
イベントに合わせて臨機応変にレイアウトを変えられるのも特徴。
2Fはイベントスペース。落語、サイレント映画×ピアノの生演奏、日本酒イベントなどが開催され、地域住民の社交場になっている。
地元のミュージシャンが出演するライブも定期的に開催。写真は和歌山の宅録SSW、お寿司のともみ。
「いまは配信でいろいろ見られるけど、カルチャーはそれだけではカバーできません。こういう時代だからこそ、生で観られる場所が大事」と店主の嶋田さん。かつて自身がそうだったように「本で世の中にはこんなにおもしろいものがあるんだと知ってほしい。いろいろな文化と偶然に出合える場所として、リアルな本屋が必要なのでは」。
【1F】書店フロア
幅広いジャンルの新刊、雑誌、古書などが充実。本関連の雑貨なども。
たまたま本が好きで、たまたま和歌山が地元で、たまたまこの場所が“本町”で。「おもしろいコンテンツを知る場所として、そして大切なものを残す場所として、この場で長く本屋を続けていきたい」。
\こだわり/
外壁には戦前、日本からアジアに輸出された文化交流の象徴ともいえるマジョリカタイルが。本と人を通じて文化を広めたいという本町文化堂の考えにも重なる。
\イベントはHPで見てください/
店主 嶋田詔太さん
和歌山市出身。兵庫県からUターン。本に関する話題や、本にまつわる、さまざまなカルチャーを紹介するPodcast番組『本町文化堂からこんにちは』を運営。
WACOCA: People, Life, Style.