蓮華山大相撲 町文化財に 宝達志水町教委が指定 伝統の祭礼 今年は来月11日

細江孝教育長(左から2人目)と指定書を手にする浄光寛蓮華山相撲協会長(同3人目)ら=宝達志水町生涯学習センターで

 宝達志水町教委は、毎年秋に催されている伝統の相撲行事「蓮華山大相撲」を町無形民俗文化財に指定した。細江孝教育長が12日、町生涯学習センターで蓮華山相撲協会の浄光寛会長(59)らに指定書を手渡した。町では「無形」の文化財指定は初めて。(島崎勝弘)

 町教委によると、専勝寺(同町子浦)の報恩講の日に行われた「寄り合い相撲」として受け継がれる。明治33(1900)年からは子浦出雲神社の祭礼行事として定着。土俵の四方にかがり火がたかれ、結びの奥弓(取組)の勝者が他の力士に担がれ、500メートル離れた神社に駆け込む。神社で「奥弓大関」として御幣などが授与される。近代の能登・氷見地域における地方相撲の形態を今に伝えている相撲行事の事例として、民俗学的にも貴重となっている。

 浄光さんによると、毎年10月17日に蓮華山相撲場で実施してきたが、近年は10月の第2土曜に行っている。今年の開催日は10月11日。昼間に行われている小学生を対象にしている相撲大会はこれまで出場するのは町内の子どもたちだけだったが、今年は羽咋市の子どもたちも出場する。

 浄光さんは「私が子どもの頃は露店もたくさん出て、大変にぎやかな催しだった。コロナ禍で中止した時期もあったが、なるだけ多くの人が集まる催しにしたい」と意気込む。

 指定を受け、センターを訪れた協会の田町一英事務局長(51)が「今後も蓮華山大相撲を守り続けていく」と決意を示せば、細江教育長も「(後世に文化として)しっかり伝えていってほしい」と要望。協会顧問で子浦区長の横川清さん(62)も同行した。

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