北陸の工芸の魅力を発信するイベントが、あすから富山市の岩瀬地区で始まります。
店や公園などの空間を生かした作品が街のあちこちに展示されます。
稲わらで作られた巨大な猫。高さはおよそ2.3メートル、富山港展望台のあずまやにぴったりとおさまっています。
松本勇馬さん
「展示場所を見に来た時に、この猫がいるあずまや、休憩所が気に入りまして、ここに収まる作品を作ったらおもしろいなと思って。猫というのは小さい場所に入ってそこに居続けるというのが好きなので」
NPO法人や文化庁などが主催する「GO FOR KOGEI」。
国内外で活躍する作家の作品を伝統工芸が盛んな北陸を舞台に毎年、発信しています。
今年は、北前船の寄港地として栄えた富山市の岩瀬地区と金沢市であすから始まります。
岩瀬地区では11組の作品が店や蔵、公園といった風景の中に展示されています。
こちらのそばの店では陶芸家が店主と相談を重ねて制作したオリジナルの器でコース料理を味わえます。
「使う・触れる・食べる」体験でより深く工芸の価値を知ってもらおうという企画で、会期中ずっと楽しめます。
また、かつて銀行だったビルではガラスや刺繍など、4組の作家の多彩な表現を感じる作品が展示されています。
アーティスティックディレクター 東京藝術大学名誉教授 秋元雄史さん
「岩瀬もそうですけれども、大変美しいところが残っているところなので街並みの美しさと、工芸の魅力というものの両方をお伝えできればなと、この展覧会組んでいます。今の時代の中で生きている工芸的なモノ作りとか考え方を皆さんに紹介していければいいなと思いますね」
今回参加した中で、唯一の富山県出身の作家、サエボーグさんです。
ラテックス製のボディスーツで家畜などのキャラクターに扮してパフォーマンスをしてきました。
サエボーグさん
「人間と家畜の歴史ってすごく長いので、人間は家畜を見て自分たちをデザインしなおしてきたと思うんですね。なのでこの私の作品を見て、もう一回自分の人生だったりとか、生命とかそういう考え方とかを、自分自身、デザインしなおすようなきっかけになる展示になってくれたらうれしい」
「GO FOR KOGEI」はあすから来月19日まで富山市岩瀬地区で開催されます。
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