米、欧州とともにロシア非難の共同声明 ポーランド領空侵犯巡り

米国は12日、欧州の同盟国とともに共同声明を発表し、ロシアの無人機(ドローン)によるポーランド領空侵犯に懸念を表明するとともに、ロシアが国際法および国連憲章に違反していると非難した。写真は破壊された家屋の屋根で作業する消防士たち。ポーランド東部ルブリン県で10日撮影(2025年 ロイター/Kacper Pempel)

[国連 12日 ロイター] – 米国は12日、欧州の同盟国とともに共同声明を発表し、ロシアの無人機(ドローン)によるポーランド領空侵犯に懸念を表明するとともに、ロシアが国際法および国連憲章に違反していると非難した。

ドロシー・シア米国連大使代理は「米国は、こうした憂慮すべき領空侵犯に対し、NATO(北大西洋条約機構)同盟国を支持する」と表明。「NATO領土を隅々まで防衛する」とした。

その上で「意図的か否かに関わらず、米国の同盟国の領空を侵犯するという今回の行為は、紛争終結に向けた米国の誠意ある努力に対する甚だしい無礼を示すものだ」と述べた。

こうした発言は、トランプ米大統領がロシアによるポーランドへの無人機侵入は間違いの可能性があると発言したことを受け、NATO同盟国による懸念を和らげる狙いがあるとみられる。 もっと見る

安全保障理事会会合を前に、ポーランド高官が読み上げた声明は、ロシアに対し、「ウクライナへの侵略戦争」を停止し、更なる挑発行為を控えるよう求めている。

スロベニアのサミュエル・ズボガル国連大使は安全保障理事会で、「これほど多くのドローンが、意図せず深くポーランド領空に侵入したとは想像しがたい。攻撃的かつ危険な行為だ」と述べた。

この共同声明は43カ国が支持した。

一方、ロシアのネベンジャ国連大使は「ポーランド領内に標的は設定されていない。今回の攻撃に使用されたドローンの最大射程距離は700キロメートルを超えず、ポーランド領内に到達することは物理的に不可能だ」と反論した。

その上で「ポーランド側が本当に緊張を緩和することに関心があるならば」、ポーランドと対話する用意があると述べた。

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