主催は長崎新聞社、長崎歴史文化博物館、NHKエンタープライズ九州。株式会社ポケモンが特別協力、文明堂総本店が長崎展協賛。同館の開館20周年記念事業で、ながさきピース文化祭2025の関連事業の一つに位置付けられている。

 ゲームやカード、アニメなど幅広く展開され国内外で人気を得ているポケモンに、人間国宝から若手まで20人の工芸作家が多種多様な素材と技法で挑んだ作品が並ぶ。

 11日は開場式と内覧会が開かれ、長崎新聞社の徳永英彦社長は「画期的な取り組み。海外の玄関口としてさまざまな文化が混じり合ってきたこの長崎で、最先端の本格アートを紹介できるのは大変意義のあること」とあいさつ。同館の水嶋英治館長は「ポケモンが伝統芸能と融合し、まるで工芸の精霊のよう。その姿は工芸の未来を照らすともしび。子どもたちにとって、日本の美に目覚める機会となることを心から期待している」と語った。

 「伝統柄『工字繋(こうじつな)ぎ』の着物を身につけたピカチュウ」も登場し、関係者がテープカットして開場を祝った。内覧会では同館近くの保育園と小学校の園児・児童も鑑賞した。

 出品した作家も会場を訪れた。彫金の人間国宝、桂盛仁さん=東京都=は、自身が手がけたブローチなどの作品を見て歓声を上げた子どもたちの反応に目を細めた。ガラスの器にゲームの風景を描写した池本一三さん=神奈川県=は「会場ごとに空間と光が違う。(長崎は)天井が高く空間がゆったりしている」と印象を話した。

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