石川県知事選挙 馳浩知事が2期目の出馬を表明 前回は保守分裂の大激戦で “遺恨”のある自民党ベテラン県議は「ノーサイド」を強調 今回対抗馬の可能性は

石川県知事選挙 馳浩知事が2期目の出馬を表明 前回は保守分裂の大激戦で “遺恨”のある自民党ベテラン県議は「ノーサイド」を強調 今回対抗馬の可能性は

任期満了に伴い2026年春に行われる石川県知事選挙で、現職の馳浩知事は11日の県議会で「復興と挑戦を掲げ全力投球していきたい」と再選を目指し出馬を表明しました。

午後にはさっそく自民党県連に推薦願を提出しました。

“遺恨”のある県議や2022年の選挙では対抗馬を推した県議を含め、自民党内での反応はさまざまです。県議会内の非自民勢力は慎重な姿勢を示すほか、共産党は独自候補の擁立を視野に入れています。

午前9時半、いつもより早く議場に到着した馳知事は、9月定例会の代表質問に臨みました。

作野広昭県議「県政課題が山積しているわけですが、次の4年間これらの課題にどう取り組んでいかれるおつもりなのか、知事の決意をこの場でお聞かせください」

これに対し馳知事は、「引き続き県政のかじ取り役の重責を担わせていただきたい」と2期目への決意を述べました。

2期目への出馬を表明する石川県・馳浩知事

石川県・馳浩知事「県民党の立場で精進を重ね、誠実に、そして明るく前向きに知事の職を務めさせていただきたいとの思いであります。復興と挑戦を掲げ幸福度日本一の石川県の創造に全力投球していきたい」

出馬表明後 真っ先に「ふるさと」と話す自民党県連へ 

馳知事は2022年、金沢市長を任期途中で辞職した山野之義氏と自民党の参議院議員だった山田修路氏との三つどもえの保守分裂選を制して初当選しました。

2022年の石川県知事選挙 馳浩氏が当選を決める

県議会終了後、馳知事がまず向かったのは自民党石川県連でした。最大勢力の自民党への推薦願を渡しました。

MRO

石川県・馳浩知事「まずは議会の第一会派であり、私のふるさとでもある自由民主党の石川県連の皆さんに推薦のお願いをもってご挨拶に上がりました」

馳氏と“遺恨”のある県議 前回は対抗馬を推した県議は

前回の選挙で馳知事を推した自民党県連の重鎮は、今回もエールを送ります。

自民党石川県連・福村章最高顧問「災害対応は緒に就いたばかり。ここで中断しては4年間やってきた意味がない。知事も精力的に県民の中に入ってやってきたからこれからもさらに頑張っていってほしい」

自民党石川県連・福村章最高顧問

その一方で、前回の選挙で自民党は対立候補を応援した県議も多く、一枚岩ではありませんでした。

その一人、輪島市選出の宮下正博県議は、2023年の県議選で馳知事から「刺客」を送られ、厳しい選挙戦を戦いました。宮下氏は「ノーサイド」を強調します。

宮下正博県議「前回がこうだから今回がこうじゃなくちゃいけないということはないと思う。(県議選で対抗馬を)送り込んだか送り込まないか、私は気にしておりません」

自民党・宮下正博石川県議

また、金沢市選出の田中敬人県議は、前回の知事選で山野氏を支持していました。山野氏は今回も出馬が取りざたされています。

田中敬人県議「まだ知事選挙に向けてはどういう方が出てくるか分からないから様子を見ながら。党の決定もあることだろうから。(ほかに名前の挙がっている方もいるが?)本人が正式に表明しているわけではないから、私としては今のところどうすることもできない」

自民党・田中敬人石川県議

積極的な支持、「遺恨はない」とするスタンス、現職への支持について明言を避けるなど、自民党内の声はさまざまです。

自民党県連は馳知事の推薦について支部などの意見を聴取し、早ければ11月にも結論を出すとしています。

非自民会派は慎重姿勢 共産党は対立候補擁立へ

出馬表明のなかで「県民党」との言葉を強調した馳知事。非自民系の会派は、慎重に見定めたいとの考えをにじませます。

非自民の第2会派「未来石川」会長・吉田修県議「『県民党でがんばりたい』と言っていた。選挙のための県民党なのか県政運営の中で県民党としてやっていくのか。そういったことも質問したい。聞きながら我々として結論出したい」

「未来石川」会長・吉田修石川県議

前回の選挙で独自候補を立てた共産党は、今回も候補を擁立する構えです。

共産党・佐藤正幸県議「被災者に寄り添った復旧・復興と、原発についても廃炉の決断をということが求められていると思う。「県民の会」という組織を作っているのでそこから候補者を擁立して戦うという基本的なスタンスで臨んでいきたい」

共産党・佐藤正幸石川県議

馳知事は、12日には共産党を除くほかの会派や政党、連合石川にも推薦を要請する予定です。

WACOCA: People, Life, Style.