欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中央銀行)総裁は、追加利下げを実施した場合、中期的にインフレ率を2%に安定させるというECBの目標を危うくする恐れがあると述べた。

  ナーゲル氏は、フランクフルター・アルゲマイネ紙とソレ24オレ紙に対し、ECBが金利据え置きを決めた理由について、ECBの最新予測でインフレ率が目標と「総じて」一致していることが示されたためだと説明。「さらなる利下げはこれを危うくする恐れがある」と語った。

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  ナーゲル氏は12日付のインタビューで、「防衛費の増加やドイツでの大規模なインフラ投資計画がすでに経済を押し上げており、その影響は欧州全体に及んでいる」とも述べた。そのうえで「中期的な物価動向には多くの不確実性がある。米国の関税だけが要因ではない」と続けた。

  同氏は物価が安定している現状について「極めて良いニュースだ」とした上で、「サービス価格の上昇は依然として高く、特に地政学的な面で大きな不確実性があることは誰もが知っている」と慎重な見方を示した。

  インフレ率と金利が2%にある中、「今後数週間から数カ月の動きを注意深く監視し、必要に応じて対応する」と同氏は述べた。

原題:ECB’s Nagel Says More Rate Cuts Could Jeopardize Stable Prices

(抜粋)

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