カナダ、石油・ガス業界の排出上限撤廃も 新戦略の一環=関係筋

 カナダ政府は、石油・ガス産業とアルバータ州が他の方法で炭素排出を削減するのであれば業界の排出に対する連邦上限を撤廃する可能性があるとして、エネルギー各社や同州と協議している。写真はアルバータ州フォートマクマレー近郊のオイルサンド施設。2006年5月撮影(2025年 ロイター/Todd Korol)

[カルガリー 11日 ロイター] – カナダ政府は、石油・ガス産業とアルバータ州が他の方法で炭素排出を削減するのであれば業界の排出に対する連邦上限を撤廃する可能性があるとして、エネルギー各社や同州と協議している。関係筋3人が明らかにした。

カナダの排出上限規制はまだ法律に基づいて実施されていないものの、減産を余儀なくされるとして、国内の石油・ガス会社から批判を受けている。

政府のトーンは数週間前とは大きく変わっており、最近までは上限の維持を示唆していたという。

関係筋によると、今回の協議は、連邦政府がこの秋の発表を目指す新しい「気候競争力戦略」の一環として排出上限撤廃につながる可能性がある。

カナダ環境省は、上限のような仕組みは排出を削減する未来を築く上で役割を果たすことができるが、「規制だけで達成するつもりはない」と説明。「カナダの新政権は排出を削減し、投資を促進し、未来の経済を構築するために、統一的で、信頼性があり、予測可能な気候政策に取り組む」としている。

また、ホジソン天然資源相は11日のインタビューで、協議の詳細については言及を避けつつ、連邦政府は環境に配慮した方法でクリーンエネルギーと従来型エネルギーを供給することを約束すると述べた。

上限規制の下では、連邦政府は石油・ガス部門に対し、2030年までに22年比で37%減となる排出削減を義務づけることになる。

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