鳥越中生が一向一揆劇 14日開幕 山城サミットへ練習に熱 

一向一揆衆を演じる生徒たち=白山市鳥越中で

「良い町になる過程 伝えたい」 白山市で14、15両日に開かれる「全国山城サミット白山大会」で、同市鳥越中学校の3年生が、加賀一向一揆の最後のとりでとなった鳥越城を題材にした劇を披露する。本番を前に練習が大詰めを迎えており、生徒たちは「鳥越の良さを知ってほしい」と意気込んでいる。(中尾真菜、安里秀太郎)

 サミット初日に市松任文化会館ピーノで開かれる「歴史を語るシンポジウム」のオープニングアトラクションとして出演する。地域の民話や文化を伝承する市民団体「鳥越うれっしゃ会」が制作した紙芝居「鳥越城一向一揆物語」を中学生らしい感性でアレンジし、17分ほどの劇にまとめた。

 鳥越の農民を主役に、本願寺門徒と織田信長軍の攻防を表現。鳥越城の築城から、織田軍に鎮圧され「百姓の持ちたる国」がついえるまでの歴史を描く。

 6月から練習を始め、武将役の生徒が身に着ける甲冑(かっちゅう)や刀を段ボールで手作りするなど準備を進めてきた。夏休み中も学校に集まり、練習に励んだという。

 うれっしゃ会のメンバーを招いたリハーサルが5日、同校であり、生徒たちは衣装を着て演技し、声の大きさや立ち位置などを確認した。鑑賞したうれっしゃ会の川崎正美会長(70)は「彼らは一向一揆のことをそんなに知らなかったかもしれないが、劇を通して故郷の歴史が心の中に刻まれたと思う。頑張ってくれてうれしい」と話し、森淳子さん(67)は「大勢の歴史好きの皆さんの前で堂々とやってくれたら」と励ました。

 主役の三郎太を演じる山下瑛大さん(14)は「気持ちを込めて話すことに気を付けた。本番は緊張すると思うが、鳥越で昔どんなことがあったのか、自然が広がった良い町になるまでの過程を伝えたい」と力を込めた。

 山城サミットは市制施行20周年などを記念して開かれる。初日のシンポジウムでは、一向一揆をテーマにした記念公演やパネルディスカッションがある。入場申し込みは8月に締め切った。2日目は道の駅「一向一揆の里」(出合町)を主会場に、野外イベント「鳥越センゴクフェスタ」を展開。火縄銃の実演や郷土芸能のステージ、地元グルメが楽しめる。

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