韓国の李在明大統領は11日、米国の不法移民捜査で韓国人労働者300人余りが拘束されたことを受け、多額の対米投資を行っている韓国企業に不安が生じていると述べた。

  李大統領は就任100日を迎えてソウルで開いた記者会見で、「米国で労働者を確保できず、工場建設のための設備を設置する熟練技術者が必要だっただけだ」と述べるとともに、「今後の対米直接投資に大きな影響を及ぼす可能性がある」と語った。

  李氏は、拘束された労働者は設備を取り付けるために短期滞在で派遣されていたに過ぎず、ビザの申請が繰り返し却下される中で拘束されたとしている。韓国政府はビザ問題の解決に向けて米国と協議を進めており、枠の拡大か新たなビザ区分の創設が検討されるという。

  米ジョージア州で建設中の現代自動車とLGエナジーソリューションの合弁工場で先週拘束された労働者らは、帰国便に搭乗するために米国の収容施設から現地時間11日午前1時30分ごろに釈放されたと、韓国の聯合ニュースが報じている。

  李氏によると、韓国人316人を含む計330人が乗るチャーター機が12日午後に韓国へ到着するという。

Immigration Raid Hyundai Plant

米ジョージア州の現代自動車の工場で手錠をかけられる様子(9月4日)

Photographer: Corey Bullard/U.S. Immigration and Customs Enforcement/AP Photo

  7月の合意で米国は韓国からの輸入品の大半に対する関税率を15%とすることになっている。トランプ大統領は合意で約束した自動車関税の引き下げについて署名しておらず、韓国側が約束した3500億ドル(約51兆6000億円)規模の投資を巡っても立場の隔たりが続いている。

関連記事:米工場摘発に衝撃の韓国、政府約束の対米投資計画は実現危うく

原題:South Korea Warns US Immigration Raid May Hit Investment (2) (抜粋)

(情報を追加して更新しました)

WACOCA: People, Life, Style.