2025年9月11日 15:51
滋賀県警の臨時署長会議(11日)
22年前、滋賀県の湖東記念病院で入院患者を殺害した罪で服役した女性がやり直しの裁判で無罪となり、民事裁判で滋賀県警の“違法捜査”が認定されたことを受け、滋賀県警本部では11日、臨時の署長会議が開かれ、池内久晃本部長が「部下職員に対する警察のあるべき姿についての指導教養等の再徹底を図り、緻密かつ適正な捜査活動を推進してほしい」と訓示しました。
■「虚偽の自白を誘導」取り調べの違法性が認定
2003年、滋賀県東近江市の湖東記念病院で入院患者の男性が死亡。病院の看護助手だった西山美香さん(45)が翌年逮捕され、患者の人工呼吸器を外して殺害した罪で懲役12年の判決を受け服役しましたが、出所後に開かれたやり直しの裁判(再審)で無罪が確定しました。
西山さんは、国と滋賀県に対して、約5500万円の損害賠償を求めて提訴。今年7月、大津地裁は、「虚偽の自白をするよう誘導したり、自発的に発言したように調書を作成したりするなど、担当警察官の取り調べは違法な捜査と認められる」として、警察の捜査を「違法」と認定し、滋賀県に約3100万円の賠償を命じました。
その後、滋賀県は控訴を断念し、先月7日、県警の池内久晃本部長が西山さんに面会し、謝罪していました。
一方、判決では、検察が起訴したことの違法性は認められておらず、西山さんは判決を不服として控訴しています。
■本部長「より一層緻密かつ適正な捜査に取り組んでいく」
午後3時から始まった会議で、池内本部長は「今回の判決で指摘された事項を踏まえて、より一層緻密かつ適正な捜査に取り組んでいく」と語った上で、警視庁公安部による「大川原化工機」社長らのえん罪事件やストーカー殺人事件をめぐる神奈川県警の不適切な対応なども踏まえ、
①部下職員に対する警察のあるべき姿についての指導教養等の再徹底
②緻密かつ適正な捜査の推進
③人身安全関連事案への組織的な対応の徹底
の3つを挙げ、「県民の期待と信頼に応え、今後の治安課題を解決していく上で、いずれも欠かせないもの。部下職員とともに率直な意見交換や相互の助け合い、団結を大切にしながら、これらの取り組みを推進されることを期待する」と述べました。
最終更新日:2025年9月11日 18:22
関連ニュース
WACOCA: People, Life, Style.