【感動する話】妻から突然の離婚宣言。別れて1年後→妻「何で…ここにいるの?」そこには変わり果てた妻の姿が…(泣ける話)感動ストーリー【朗読・いい話】総集編
[音楽] 今までありがとう。これに応援と名前の 記入をお願いします。私の文は記入済み です。妻の弓はそう言いながら1枚の緑色 の髪を俺の前に差し出した。今から1年 ほど前のあの光景を俺は今でも時々 思い出す。それぐらい俺がそれまでの人生 の中で1番衝撃を受けた出来事だった。 あれほどの衝撃を受けることはこれからも 早々はないだろう。だって俺とゆの関係は 極めて良好だったのだから。いや、離婚を 突きつけられたのだから。そう思っていた のは俺だけだったのかもしれない。目の前 に離婚届けがあることがそのことを物語っ ている。俺は頭が混乱しながら弓に離婚し たいと考えた理由を尋ねる。これから あなたと一緒に生きていく自信がなくなっ たの。これから私は私の人生を歩いていき たい。弓はそう答える以外は多くを語ら ない。もちろんそんな理由に俺が納得など できるわけなどない。もし悪いところが あったら改める。もう一度考え直してくれ 。俺はこれからも君と一緒に人生を歩いて いきたい。結婚する時に誓った思いは今も 全く変わっていないんだ。俺がいくら必死 に説得しても弓の表情は全く変わらなかっ た。そして一瞬の沈黙。 すると弓の目から一筋の涙が流れ落ちた。 お願いします。私のことが好きならこれ 以上私を困らせないでください。 俺はその言葉に何も言い返せない。ボール ペンを持つ手が震える。陰環もうまく押せ なかった。こうして俺と弓の結婚生活は わずか3年で幕を閉じた。 その日なかなか俺は寝つけなかった。離婚 という現実を突きつけられ、考えれば 考えるほど頭が咲えた。窓の外が明るく なっていることに気づき、スマホの時計を 見る。時刻は午前6時だ。その時だった。 リビングから物音が聞こえた。 前日ゆは明日早いからと言ってリビングで 寝ていた。どうやら家を出る準備をして いるようだ。 弓が起きたことに気づいても俺は布団から 抜け出せない。弓と顔を合わせるのが 怖かったからだ。30分もすると物音が 聞こえなくなる。俺は起き上がり、ドアを 少しだけ開けて恐る恐るリビングを覗いた 。弓の姿は見当たらない。ゆが家を出て いったことに俺は改めてショックを受け ながらリビングへと移動した。机の上には 今までありがとうと書かれた文章と結婚 指輪が置かれていた。ハートカットの ダイヤがあらわれたその指輪は一生物だ からどうしても欲しいとゆが言って買った ものだ。 ゆがそこまで買い物にこだわったのは後に も先にもその結婚指輪くらいのもの。その 時の弓の嬉しそうな笑顔を思い出し、俺は 机につっぷして泣いた。その日仕事が休み で良かった。 出社しても仕事は全く手につかなかった だろうから。でも仕事に身が入らない状態 は何日も続いた。信じられないようなミス をすることも少なくなかった。同じフロア にいる全ての社員が俺が旅館したことを 知っている。嫁さんに愛そうを司かされ 逃げられた。そんな会話を聞いたことも あった。 人間は人の不幸が何よりも好きなようだ。 俺がミスを犯した時、全員が俺のことを 哀れんで見ているような気がした。大丈夫 か?俺のことを気遣う同僚の言葉も嫌みの ようにすら感じていた。結局まともに仕事 ができるようになるまで半年くらい時間を 用意した。きっかけはゆと一緒に暮らした マンションを引き払ったことだ。目にする もの全てに弓との思い出があるマンション に住み続けていては前に進めないと ようやく考えられるようになったからだ。 もしかしたら弓が帰ってくるんじゃないか 。離婚当初頭に浮かんでは消えた。俺の 思いも次第になくなった。それでも離婚の ショックから完全に立ち直ったわけでは ない。仕事が人並みにできるくらいには 回復したという程度だ。離婚から1年 くらい経ったある日のこと。俺のスマホ が鳴る。最近の知り合いとのやり取りは もっぱらLINEかスマホ。電話が鳴る ことなんて滅多にない。誰だろ?そう思い ながら、スマホのディスプレイを確認した 俺は思わず息を飲んだ。ディスプレイには お母さんと表示されていたからだ。 もしもし。恐る恐る。俺は電話に出る。 しかし義母は何も話さない。 もしもし。もしかしたら聞こえていないの かもと思い、俺はもう一度声をかける。 お久しぶりです。たさん。義母はそう言っ たっきりまた黙った。いつもの義母は シャキシャキとした性格。この子は父親に 似て自分の意見をなかなかはっきりと言わ ないのよ。ごめんなさいね。付き合い にくいでしょ。横にいた弓の表情が みるみる険しくなっていくのを知ってか 知らずか義母は初対面の俺にそう語った。 2人の表情があまりにも対象的で思わず 吹き出したことを俺は思い出す。その義母 が自分から電話をかけてきたにも関わらず なぜかはれが悪い。でも義母は大した理由 もなく俺に電話をしてくることなどない だろう。しかもゆみとは離婚して今は全く の赤の他人なのだから電話をかけてきた からにはよほどの理由があるのだろう。 しかもその理由は弓のこと以外には考え られない。俺は義母の言葉を待った。弓に 会ってほしいの。思いがけない義母の言葉 に俺は思わず耳を疑った。どういうこと ですか?俺の質問に義母は静かに語り始め た。義母の全ての話を聞き終えた時、俺は 涙が止まらない。でも止めようとは思わ なかった。明日から絶対に涙を流さない。 義母の話を聞いて俺はそう心に決めたから だ。翌日俺は弓の実家がある町の総合病院 を訪れた。受付で確認した病室へと ゆっくりと進む。意識してそうしたわけで はない。足が重くて思うように前に出 なかったのだ。胸のドキドキも止まら なかった。教室の前に立ち、1度深く深 呼吸をしてからドアを開ける。義母の顔が 見えた。そして足を踏み入れた時、ベッド に上半身を起こして座っている弓がいた。 一見した限り1年前と何も変わっていない ように感じる。俺が話しかけようとした時 だった。こんにちは。どちら様ですか? 分かっていたが、俺はショックだった。でも気を取り直して弓に語りかける。こんにちは。山田孝志と言います。お元気で何よりです。事前に何度も練習していてよかった。もしなかったら簡単な言葉すらムーズに出てこなかったかもしれない。 弓は弱年性アルツハイマーだった。弓が おかしいと感じ始めたのは離婚する1年 くらい前だったそうだ。最近物忘れが増え たのよね。ゆは笑いながら義母にそう話し たらしい。最初の頃2人は物忘れの原因は 疲れが溜まっているからではないかと考え たそうだ。当時俺たちは友働きだった。 女性だってこれからは自立しなければいけ ないと思う。付き合い始めた当時、そう 言っていたゆは結婚してからも仕事を続け た。離婚する1年くらい前といえば、ゆは 結構大きなプロジェクトのサブリーダーを 任されたということで、毎日張り切って 仕事をしていた頃だ。帰ってくるのはいつ も夜遅く休日出勤することも少なくなかっ たからよほど大きなプロジェクトなの だろうと俺は心配しながらも思っていた。 それでもゆが生き生きとしている様子を見 て俺自身の励みにもなっていた。しかし プロジェクトが山場を超えて仕事が 落ち着き始めてからも弓の物忘れが改善 する気配は見られない。さすがに心配に なった弓は義母と一緒に病院を受信した そうだ。病院で色々と検査をしたが症状の 原因が分からない。最後に受信した神経 外科で念のためということで弱年性 アルツハイマーの検査をする。すると病気 を疑う症状がいくつか確認された。それで 定期的に通印し、弓は弱年性アルツ ハイマーだと診断された。 正直に自分の病気をた志さんに打ち明け たら義母は弓に提案したそうだ。しかしゆ は首を盾に振らなかった。もし私が病気の ことを話したらあの人はきっと一緒に 頑張ろうと言ってくれる。でもそれはあの 人の一生を私のせいで台無しにすることに なる。そんなことは絶対に嫌。ゆは泣き ながら義母に訴えた。そして自分の病気の ことも絶対に俺に言わないようにと義母は 弓から釘を刺されたそうだ。もしたさんに 本当のことを言ったら親子の縁を切ると まで言われてしまって本当にごめんなさい ね。義母はそう言って持っていたタオルで 顔を覆った。俺はかぶりを振っていった。 今まで辛かったですね。俺に本当のことを 教えてくれてありがとうございます。でも 俺が不思議だったのはまだ一緒に暮らして いた頃。弓の症状に俺が気がつかなかった ことだ。俺が仕事から帰った時にはいつも 夕食は準備されていて家事も全部終わらせ ていたのにな。気になっていたことといえ ばぼっとしていることが増えたと感じてい たこと。休みの日の家事の頻度が減った ことくらいだったけど、そう考えた俺は 思わずはっとする。確かに俺が帰宅した時 、ゆは家事を終わらせていた。でも弓が 家事をしている様子を俺は直接見たわけで はない。おそらく義母が来て弓の代わりに やっていたのだろう。そして休みの日、弓 がぼっとしていると感じていたのは症状が 出ていた時で、家事が少なくなったのは 症状が出ていた時なのだろうと思った。俺 はなんて鈍いやつなんだ。俺は自分を責め た。 弓の変化に俺は何度も気づくチャンスが あったはずだ。それなのに全てを見逃して いた。確かにゆは俺に気づかれままいとし ていた。でも俺がちょっと気にかけてさえ いれば弓の変化に気づけたはずだ。もっと 早く治療に専念させることができたかも しれない。弓からたさんに伝えて欲しいっ て頼まれていたことがあるの。 そんなことを考えていた俺を義母が見据え ていった。いつ泣きんだのだろう。表情は すっかり落ち着きを取り戻している。ゆみ 言ってたわ。自分を責めないで欲しいって 。俺は義母を見つめる。たさんは絶対に 症状に気づけなかった自分が悪いって。 自分を責めるはず。私は症状を気づかれ ないように行動したのだから。さんが 分からなかったのは当然。悪いのは最後 まで病気を隠せると思った私。 ゆは義母にそう言ったそうだ。だから義母 は弓のことを俺に伝えるべきかどうか ずっと迷っていたらしい。俺に伝えるとゆ との約束を破ることになる。一方で本当の ことを俺に知って欲しいという親心もあっ た。悩みに悩んで俺に本当のことを言う 決心をしたそうだ。今でも時々普通に やり取りができる時があるから。義母は俺 に説明してくれた。その時。それからこれ 弓から。義母はそう言って俺に一通の封筒 を渡す。たさんへ封筒の表にはそう書かれ ていた。間違いなく弓が描いた文字だ。1 年しか経っていないのにどこか懐かしい。 俺は少し震える手で風を開け、手紙を 取り出し読み始めた途端俺の目から涙が 溢れ出した。 誰ほど泣かないって決めていたのに。 その手紙には病気のことを黙っていて本当に悪いと思っていること。今までずっと幸せだったこと。俺の幸せをずっと願っていることなどが綴らている。離婚届けを俺に差し出した時に表情を変えなかったのは感情を押し殺さなければ泣き出しまうと考えたからしい。 翌朝俺に黙って家を出て行ったのも俺の顔 を見ると決心が鈍りそうだったからだそう だ。手紙を読んでいる途中で義母が俺に 語りかける。ゆは言ってた。私のことは 早く忘れて。たさんには早く大切な人を 見つけてほしい。それが私の希望って。 そんなことできるはずないじゃないか。 だって俺にとって最高の女性は弓なんだ から俺はそう思いながら弓を見つめた。 その時だ。たさん不に弓が言った。弓?俺 はそう言って弓をきつく抱きしめる。なん でここにいるの?夫婦だからに決まってる じゃないか。俺がそう言うと弓が頷いた ことが分かった。そして俺はそっと弓の 左手を取りポケットからあるものを 取り出した。ハートカットのダイヤがわれ た指輪。それを弓の左手の薬指にはめた。 そして俺は決心する。弓とこれからも一緒 に生きていこうって。これから先どんな ことが待っているのか分からない。でも 心配したって始まらない。考えるだけ無駄 だ。困難なことが起こったら1つ1つ 乗り越えていけばいいだけ。弓とだったら 弓と一緒の時間を過ごせるならどんな困難 も乗り越えて見せる。 俺の名前は相川ず。もうすぐ50歳になる 普通のサラリーマン。 両親はすでに亡くなっているが、恥ずかし ながら未だ独身。 親に孫の顔を見せることはできなかった。 そんな俺だが50歳の節目に退職しようと 考えていた。 高卒で入社してから32年。地味な社員 だったが、無決席を貫いてきたことが 小さいけれど俺の誇りになっている。 退職については会社もその理由に納得して くれて無事に円満退職できる運びになった 。 大した出世はできなかったが32年も こんな俺を使ってくれた会社には感謝して いる。 こう話すと何も問題がないように思えるが 実はそううまくいかないのが人生。 実は同僚に嫌なやがいるのだ。 そいつの名前は小泉明仁。俺と同い年が 向こうは有名大卒のエリートだ。俺は高卒 なので年時から行けば俺の方が先輩になる のだが。小泉は大卒なので俺が先輩という のが気に食わなかったらしい。入社以来 断るごとに高卒の俺を見下していた。 行けすかないやつだが仕事はできるやつだ 。上昇思考が強く抜群の コミュニケーション能力があり相手が誰で も起せずに話ができる。 その能力を発揮して上の人間に可愛がら れるようになり、実績もしっかり残してき たので、今では事業部の部長を務めている 。 生けかないやだが、いや、今では小泉部長 様だが、仕事を受けると相手先との接傷や 提案などの実績に評価されているような 仕事はお気に入りの部下に優先的に 振り分ける。 俺には地味な事務作業や報告書作成などの 作業をしつける。 奴が言うには大事の仕事は大卒の能力ある 人間が対応しないと失敗する。高卒の あなたには正直苦重いと判断した。仕事は 適正適書で振り分けるのが私のもっと王 です。 まあ、正論なのだろうが、学歴だけで有劣 をつけるのはいかがなものかと思っていた 。 結局俺は万年ヒラシャインとなっていた。 こういうやなのではっきり言って嫌いだっ た。しかしそんな教遇の中、長年耐えてき た自分を褒めてあげたいと思った。 後輩には良き先輩として指導してきた。何 人かは俺を抜き去ってかかり町や課長に なったものもいる。しかし上司になっても 俺を慕ってくれるものも多かった。 これも俺の小さな誇りとなっている。 俺の退職が広まると俺が面倒を見た後輩 たちが何やら俺の相別会を計画している らしい。 川さん32年も勤めたのにこのまま何もし ないで退職するなんて上の連中は何を考え ているんですかね。何人かに声をかけたら 勇志で相川さんの相別会を開こうとなり ました。結構な人数になりそうです。期待 して待っていてくださいよ。 おお。俺がいなくなるのが嬉しいやら いっぱいいそうだな。 何言ってんですか?俺たちは純粋に相川さんをねぎらいたいだけですってば。 [音楽] そうですよ。私は相愛相川さんに育ててもらったんです。この恩は決して忘れませんから。は、そう言ってもらえると俺も苦労した会があったってもんだ。当日を楽しみにしているよ。そんな話を聞かされて正直嬉しかった。 そして俺の最後の出勤日はあっという間に やってきた。 最後の日なので仕事はなく、社長を始め 車内の各所にお別れの挨拶をするだけだっ た。 行く先々で花や記念品をいただき、嬉しい ような悲しいような思い出深い最後の 出勤日となった。 一通りの挨拶が終わり、自分の席でもらっ た品の整理をしていると、あっという間に 修行となった。 最後の日に残業などあるはずもなく、さて 、帰ろうかと立ち上がりかけた時、声を かけられた。 相川さん、長い間お勤務めご苦労様でした 。実はこの後勇志による相川さんの相別会 を開こうと思っています。場所もちゃんと 予約していますので、是非出席して ください。ああ、以前にちょっと話題に なった件だな。本当にやるなんて嬉しいな 。ありがとう。こんな平ら社員に相別の席 を設けてくれて。何言ってるんですか。 今日は相川さんが主役なんですから胸を 張って参加してください。そう言いながら 後輩の社員に囲まれて予約したという場所 に連れて行かれた。 しばらく歩くと見慣れた看板が目に入った 。 この界隈では有名な高級両亭だった。うち の会社の接体にも使われていて、俺も同伴 して何度も来たことがある。 おいおい、こんな高級なところでやるのか 。もちろんですよ。大井川さんならこれ くらいの店を用意するのは当たり前 でしょう。 本当は俺をしにして自分がこの店に来たかったんじゃないのか。 いええ。そんなことは実は少しあります。ありがとう。正直にそう言ってもらえると俺も少しは気が楽になるよ。一緒に楽しもうな。店の連をくぐると中井さんが出迎えてくれた。あら、相川さんいらっしゃいませ。 [音楽] [音楽] 今日は大勢なのね。あれ、川さんってこの店のお得意さんなんですか?まあ、この中井さんは高校の同級生でね。 へえ。同級生なんですか。こんな美人さんとお知り合いなんて羨ましいですね。あらあら、ありがとうございます。嬉しいけどでも相川さんと同級生だから私も 50ですよ。 この年になったらもうお政治にしか聞こえ ませんよ。 そう言って笑っているのはここの仲いをし ている宮本まきさん。 高校時代の同級生だ。何度か仕事でこの店 を利用しているうちになんとなく見覚えの ある顔だなと思ったら相川君でしょ。久し ぶりと話しかけられ思い出した。 彼女は年齢よりも若く見え、元々美人な 顔立ちをしていたので、彼女が目当てで この店に来る客も多いと聞いた。 長く話したことは少なかったが聞くとまだ 独身だという。 彼女ほどの美人さんがなぜ独身なのかと 聞いたことがあった。彼女曰く。 まあ、何人かに結婚を申し込まれたことは あったけど、あんまり心がときめかなくて お断りしていたらこの年になっちゃった とケラケラ笑った。 愛川君も1人なんでしょ?お互い1人の方 が気楽でいいわね。なんて会話をしてきた 。 実は例の小泉部長が彼女を狙っていると 聞いていた。彼女に聞くと、前から小泉 さんに店が終わったら2人で飲みに行こう とか、休みの日に一緒に出かけませんか なんて誘われているのよ。私あの人 ちょっと苦手なの。お店じゃお客様だから 相手もするけど、それ以外はお断りして いるんだけど、しつこいったらありしない 。あ川君なんとかならない と相談を受けたこともある。 小泉部長はもうすでに結婚している身だっ た。しかし奥さんとの中が悪化してついに 離婚してしまったと風の噂で聞いた。 最近では毎週のように彼女目当てにこの店 に通い宮本さんにアプローチしているそう だ。 しかしいくら熱心に誘っても宮本さんが 小泉部長になびくことはない。を断言 できる確信が俺にはあった。 やがて参加メンバーが揃い、俺の相別会が 始まった。あの小泉部長までもが出席して いた。 最も俺の相別会が目的ではなく宮本さんに 会いに来たのだろう。 宮本さんは何度か配善にやってきてその度 に顔見知りの連中と何やら話している。 そして俺のそばに来た時に 相川君今日が最後なんだってね。高校を出 てからだから32年長い間お疲れ様でした 。今日は思う存分楽しんでいってね。ああ 、俺が主役なんて初めてだからね。いつも は気を使って酔ったことなんてなかった けど、今日はたっぷり食べて飲んで楽しま せてもらうよ。うん。そう来なくっちゃ。 宮本さんはいたずらっぽくウンクして仕事 に戻った。その笑顔に昔の彼女を重ねて しまい、可愛く思ってしまった。 酒も進み話も盛り上がっていたが、ここで 縁も竹縄ですがとお決まりのセリフが入り 、感謝の言葉を述べたいと俺は立たされた 。 後輩や上司から感謝の言葉を頂いた。 そして宴会につき物のビンゴゲームが 始まり、なんで相別会にビンゴーと思った が、ビンゴになってもらった商品は当たっ た当人から俺にプレゼントとして渡して くれた。結局全ての商品が俺への プレゼントとなる思考だった。まったな。 こんなに持って帰れないよ。 あまりの量に俺は思わずそう言ってしまっ た。 大丈夫です。後で宅配便でご自宅の方に 送る手配をしてますからと漢字役が説明し てくれた。助かった。みんないい奴らだ。 会社をやめることを後悔はしていないが、 こいつらと別れることになるのはちょっと 寂しく思った。 ありがとう、みんな。今日のことは決して 忘れないよ。 そう言って頭を下げるとみんなが拍手をし てくれた。 今日はみんなよく飲んだ。俺も結構継がれ てしまっていい気分になっている。若い頃 ならこれくらいの酒なんてなどと思ってい たが50歳にもなるとさすがに聞いてきた 。 宮本さんに酒を止めてもらい、ウーロン茶 を頼んだ。俺のそんな態度を見て宮本さん はくすっと笑い。あらま、愛川君がそんな んじゃ宴会が白きちゃうよ。でももう50 歳だもんね。体を大事にしなくちゃね。 そして 経の仕草をして厨awに向かった。俺も 苦笑いしながら経例を返した。いかんな。 これじゃ高校時代と同じだなと思った。 やがて宴会も終わりに近づき、オーダーも 減ったのか、宮本さんが話の輪に入ってき て、俺の隣にちょこんと座った。 俺の会社でのことを楽しそうに聞いている が、そんなに面白い話があるわけもない はずだが、彼女の笑顔が見られることで俺 のことはどうでもいいやと思うようになっ ていた。 そんな輪の中に入ってくる人がいた。小泉 部長だった。 小泉部長はかなり酔っているようだった。 メクタイも緩めてちょっとだらしない スタイルになっている。 宮本さん、こんなやつの話なんて聞いても 面白くないでしょ。こいつは会社でも 役たずでね、万年平社員でお荷物だったん ですよ。それが今回やっといなくなること になったんでみんなせしてるんですよ。 俺の顔をチラチラ見ながら話を続ける。 こいつは俺より 4年も前に入社しているのに 全然上昇思考がなくてね。自分を向させようって気がない。何年社員ですよ。こんな性格だからパッとしない人生だったんでしょうね。こんなやのそばにいると人生の負け犬になってしまいますって。 だってこいつは高卒なんですからね。 酒に寄っているのか、自分の言葉に寄って いるのか、だんだんと態度が王平になって いった。そして宮本さんに向かって 追い打ちのように言葉を続ける。 あ川さんって男から見てもちょっと情けな いって思うな。俺も愛川さんと同いした けど大卒だから才能で今は部長になった。 サラリーマンの会社にいかに自分を評価し てもらうかが大事なんだよ。アピールし なくちゃ世ができるわけはないってか と俺を見ながら高笑いをしていた。 俺に地味な仕事しか回さなかったのは誰な んだよって思ったが、まあこれで最後だし いい気分ではなかったがもう勝手にし てろって感じだった。 そう思って静かにウーロんちゃんを飲んでいた。 というわけでね、宮本さんもこんなやつなんだから隣で相手なんかしなくていいから僕と一緒に向こうで楽しく飲みましょう。 宮本さんも相手が酔っているし、お客さん だと分かっているので営業スマイルで ニやかに受け流していたが、小泉部長の 長話にはさすがに怒りを感じたのか。いつ の間にかスマイルが消えていた。 お誘いいただいて恐縮なんですが、実は私 も相川君と同じ人生の負け犬の高卒なん ですよ。小泉部長さんみたいな大卒の立派 な方にはふさわしくありませんね。 ここまで一気にまくし立てると一息ついて さらに続けた。それに人のことを悪く言う あなたよりも相川君の方が人間として何倍 も上だってこと私は知っていますから。 そして宮本さんは喉を潤すように目の前の ビールを一口飲んだ。 この話を聞いた小泉部長は はあ。なんだよ。お前も底辺なんだな。その底辺の中いが何様のつもりだ。俺様を誰だと思ってんだと宮本さんを指さしめき始めた。小泉部長げないですから落ち着いてください。 [音楽] 俺は宮本さんをかうように前に出て小泉部長を制した。 うるさい。人生の巻き犬の底辺どもが身のほど知るってんだ。 俺の態度がさらに小泉部長を怒らせてしまったみたいだ。小泉部長の大声に周りがこちらを注目していた。 その騒げが聞こえたのか、廊下に足音が 聞こえ、失礼いたしますとふが開いた。 見ると上品な着物を着こなした美人さんが いた。宮本さんとは違うタイプの美人さん だった。 この両亭の女将さんだった。年齢は宮本 さんより確か5つ上のはず。 にお事業した女は部屋に入ってきて小泉 部長の前に座り直した。 さすがに女将さんはこのような場面に慣れ ている感じで淡々とそして堂々と小泉部長 に話し始めた。 私ここの女将の井上と申します。お楽しみ のところにお邪魔して申し訳ございません と一例をして再び言葉を続けた。 先ほどからのお言葉が耳に入りまして一言 申し上げたくせじた次第でございます。 口調は丁寧だが言葉に重みがあった。小泉 部長は女将の気迫に押されて静かになって いった。 先ほどからのお言葉鹿とこの耳に入れまし た。お客様、ここのお席がお気にめしませ んでしたらどうぞお帰りくださいませ。 当店では従業員に対して暴言を図れる方の 入点をお断りしております。 お気に召さないのも結構。その代わり今後 当店にお越しになりたいと思われてもお 断りさせていただきます。そのつもりで 女将の迫力に先ほどまでの騒ぎが一気に 収まっていた。そして小泉部長も誰も助け てくれずに押されて保管と立ちんでいる姿 は哀れを感じた。 そんな小泉部長に追い打ちをかけるように あなた様が存じているかは分かりませんが 、この方相川さんはこの後うちの両亭で 働いてもらう予定になっております。この 宮本と一緒にこの店の大事な従業員となり ます。 私はこの店の従業員を無に悪く言うお人は それが大統領だろうと総理大臣だろうと 絶対に許すわけには参りません。 女将の目がより厳しく小泉部長に注がれた 。 ということでお出口はあちらとなります。 お帰りくださいませ。 そう言うと小泉部長はすごすごと帰り自宅 を始め部屋から出ていった。小泉部長が出 ていくのを確認した女将はみんなの方に 向き直り。 お楽しみの席にお邪魔しまして大変申し訳 ございません。そのお詫びとして当店自慢 の大銀場を差し入れさせていただきます。 どうぞお時間まで楽しくお過ごし いただければ幸いでございます。 女将の言葉に再び遠石が盛り上がってきた 。 先ほどの女将の言葉通り俺が会社を辞める ことにしたのはこの両亭で働きたいと思っ たからだ。 実は俺の親父はいま前でこの店で働いてい た。 俺が会社員になって10年くらい経った頃 、病気のために亡くなってしまった。 母を小学生の時に病気でなくしていたので 、俺は1人になってしまった。 俺は親父の影響で料理を作ることが好き だった。 親父もそんな俺を可愛がってくれて、色々 料理を教えてくれた。とはいえ料理人に なるほどではなく趣味の半疇で満足してい た。しかし親父が亡くなった時にここの 女将から片だと親父が使っていた包丁一式 を受け取った。 長い歯が新品の半分くらいの長さになって いる。どれだけ大事に使っていたんだろう と親父の気持ちが伝わってくるようだった 。 そして俺は親父のことを聞きたくなって この両亭に通い始めた。 高級両亭なので普通に飲んでいたらとても 払いきれないが女将の配慮で店の手伝いを することで相細させてもらえた。具体的に は調理の後片付けやちょっとした料理の 手伝いだった。として調理場に何度も足を 踏み入れることで趣味だった料理を本業に したいと思うようになっていた。 親父の人柄が良かったのかみんな俺に協力 してくれて 俺の料理の腕は随分上達することができた 。 いつの頃からか親父の話を聞くことでは なく、単純に料理の手伝いをすることが 目的に変わっていった。そして女将から もう相川さんは素人の息を超えているわね 。その腕前ならうちの店で立派にいまえが できそうねと言われるほどになっていった 。 そして接で何度もこの店に通うことで宮本 さんと再開できたこともあり、宮本さんは 俺を応援してくれた。 そして女将さんや宮本さんの応援もあって 、この両亭で働いてみてはどうかと言われ 、 今の会社を辞める決心がついたわけだ。 この店の魅力はもちろん料理もあるが、 ここの女将さんの人柄と宮本さんのような 中井さんがいて、この両亭を素晴らしい ものに作り上げている。そんなところにも 心を惹かれていた。 そんな俺はいつの間にか宮本さんに惚れて いることに気がついた。 実は高校生の頃から宮本さんにはほのかな 恋心を抱いていた。 今こうやって宮本さんと話をしていると あの頃の思い出で心がチクチク痛むのを 感じた。 そんな時宮本さんから女将さんがね最近 若い前がやめてしまうことが多くなって 人手が減って困ってるっていうの。 川君会社やめてここで働いたら なんてことを言われた。素人みたいな俺が 役に立つならそれもありかななんて考えて いると相川君て昔からそうなのよね。人が 困っていると自分のことのように悩んで くれるわね。 彼女は少し笑いながら話してくれる 。いやあ、この店には親父も世話になって いたし、俺までお世話になっている。 そんな恩義がある女将さんが困っている るって聞いたから何かできないかと思った だけだ。でもそういう相川君は嫌じゃない わよ。何か言った?え?いえ、なんでも ないけど。相川君と一緒に働けると嬉しい かななんて。 なぜか顔を赤くする宮本さん。 そんな会話があり、お互いに意識するよう になっていた。 そして俺は高校時代のように諦めはし なかった。 50木前にして恥ずかしかったが、俺が1 人前のいまいになれたら結婚してくれと柄 にもないプロポーズをした。 もしダメだったらこの店にはもう来ないようにしようと思ったがやっと言ってくれた。え、 ここで再開できた時からうん。高校の時からずっと待ってたのかもしれない。 え、それって本当なの? うん。 あの高校の文化祭の時地味だけど黙々と仕事をするあなたがとても気になっていたの。この人いい人なんだなって。 それじゃあ うん。お仕事頑張って 1人前の痛まいになってよ。 こんなおじさんだけどいいのか? 私だっておばさんよ。ちょうどいいじゃない。 じゃあ結婚すっか。 おお、そうすっか。 なんて色気もない 50 歳の恋愛だった。彼女は俺の話を真剣に聞いてくれて、俺の本音を分かってくれた。俺は自分がこんなに頑張れるのかと思う頑張った。そしてさんから認められたことで痛まいとなることができた。 そして約束通りに俺と宮本さんいやマキと 結婚することになった。 そしてそのことを女将に報告すると 愛川は私に気があると思っていたのに私を 捨ててしまうのね。 こんなに若い女がいいの? 女将さんの演技力に完復しながら。女将さん、マキも 50 なんですから若い女ってことはないでしょ。女はね、いくつになっても女なのよね、まきちゃん。はい、そうです。さすがに子供は作れそうもないですけど、その分かずにはたっぷり愛情注いじゃいますから。 はい。はい。ご馳そ様。でも仕事中は ちゃんと仕事しなさいよ。 女将の領も得たことで俺もマきも仕事を 頑張ろうと誓った。 そうしてこの両亭の仕事を始めてしばらく すると前の会社の連中が来てくれて小泉 部長の話をしてくれた。 この両亭は前の会社の接体で使っていたの で、ここを出理禁止となったことが社長に まで伝わり、社長は激怒し、小泉部長は 広格され、一般社員となったらしい。 そして今では年下の上司に使われる立場と なったそうだ。 プライドがボロボロになっているようで、 やめると言い出すのも時間の問題かな なんて話をしてくれた。 今の俺にとってはもうどうでもいいことだ 。 俺とマキは結婚した後も同じ店で働いて いる。 仕事中はけじめをつけようと2人で決めて いるのだが、女将さんにはそう見てもらえ ず、姑ト目のように時々嫌味なことを言っ てくる。 女将の性格を知っている俺からすれば からかっているのは明確なのだが、牧は 賢いので姑ト目にいじめられる嫁を演じて 楽しんでいるようだ。 まあ、年齢的には嫁と姑止めというより姉妹のようなものだった。愛花はマキが言うこと聞かないのよ。なんとか言ってちょうだい。 [音楽] 女将さん、うちの亭主に色目使わないでください。 おお、怖い。こんな怖い嫁は捨てて私の方がいいわよ。そこには愛はあるんか?なんちゃって。 女将さんもマきも今は仕事中なんだから ちゃんと仕事しましょう。 調理場の連中はクスクス笑っている。 ちょっと前は人が減って暗いイメージが あったが、今では女将さんとマキの やり合いが面白くて明るい職場になってい た。 マは高校生の頃のようにいつも明るくて くよくよしないで前向きだ。俺もそんな薪 を嫁にできて幸せを感じている。 最近は人生100年というからまだまだ 半分しか生きていない。人生の折り返しを マと一緒にできたこと。そしてこれからの 人生をマキと一緒に過ごせることは俺に とって最高の幸せだと思っている。 [音楽] 俺の名はこ太。最近妻をなくした。そして 俺には血のつがらない14歳年の離れた娘 がいる。現在は17歳で金髪ギャルの娘。 俺は妻が残したこの子に一体何ができるの だろう。そんなことを考える日。娘の名前 はリナ。俺がリナの母親、まゆみさんと 結婚したのは俺が26歳、まゆみさんが 35歳、そしてリナは12歳だった。中学 生となったリナにお祝いを渡し、そこで プロポーズをした。まゆみさんはかなり 混乱していたけど、リナはいいんじゃんと 明るく言った。本当はどう思っているのか わからなかったけど、変にかぐってもキれ がないので、その言葉を信じて話を進める ことにした。まゆみさんは俺に申し訳ない とやめとこうよと言ってきたけど、俺は まゆみさん以外に考えられなかった。 まゆみさんはいつも一緒にいるのはこ太が 1人の間だけ。好きな人ができたらいつで も言ってねと言っていた。 そうしたら家庭教師と生徒の保護者という 関係に戻るのだそうだ。そもそもそんな 割りきれるのか?俺としては難しいと思う のだが。そう、俺はリナの家庭教師として この家に出入りしていた。大学時代バイト を探していたら親戚の知り合いの家で家庭 教師のバイトをしてみないかと誘われたの が始まり。さんは娘の学校の成績が下がり 始め悩んでいた。本当は自分が勉強を見て あげるべきなことを分かっているけど母子 家庭でまゆみさんは仕事が忙しく勉強を見 てあげたり話を聞いたりできない。そんな 話を俺の親戚が聞いて大学生の俺の存在を 思い出して連絡をしてきた。大学生の バイトとして家庭教師にも興味があり、 ちょうどどこかに登録しようかななんて 思っていたところだったので、親戚の 知り合いだし大丈夫だろうと引き受ける ことにした。最初の挨拶は親子でいる時に 少し状況なんか教えてもらいながら方向性 を考えていく。小学校に入ったばかりの リナはかなりの自由人だった。さんが状況 を話している時にもなんだかんだと騒いで いる。確かにこれは誰かがいないと勉強 どころではないなと思った。1日に4時間 週5日結構な出費だが、まゆみさんは有名 な企業に勤務していてどうやらなかなか 稼いでいるらしい。俺としては報酬が もらえるなら事情は気にすることではない 。学校から帰り宿題をして明日の準備を する。ここまでを夜7時までに終わらせる 。これが俺の毎日のミッションとなった。 4時間もあるんだから余裕だろうと思った のは初日で打ち砕かれた。お兄ちゃん 遊ぼう。最初っに壁はなかった。とんでも なくフレンドリーで遊ぼ遊ぼ攻撃小子小 子犬みたいで俺は思わず言われるままに 遊びまくってしまって初日を終えた。7時 ただいまと帰ってくる声。どこまで進んだ と聞かれてこんな時間と気づき慌てる俺と リナ何してるの?怒るまゆみさん。 こっそり笑い合う俺とリナ。これが俺たち 家族の始まりの日と言えるのではない だろうか。その日は結局まゆみさんも協力 して大急ぎで宿題と次の日の準備をした。 初日なのにという怒りもあるだろうけど 初日だからということで明日からはお願い しますねと厳しく注意を受けて次の日に 挑むことになった。初日仲良くなれたのも あってか、リナはそれからすんなりリズム を受け入れてくれるようになった。宿題も すぐに飽きてしまうんだけど、少しやり方 を教えると目を輝かせて食いついてくる。 勉強して新しいことが分かってくるのが 楽しいと思えるようになったようだ。リナ の成績はぐんぐん上がっていった。入学は 事業中に座っていることもままならなかっ たようだが、学校の授業も座って聞ける ようになったと。ある日、まゆみさんが 話してくれた。昼間は大学で講義を受けて 3時からはリナと過ごすのが俺の ルーティーン。なんだか充実していた。 毎日目をキラキラさせて。 これはなんでこうなるの とか質問してくるリナが可愛くて毎日リナの家に通うのが楽しかった。ある日つもありがとうございます。お夕食一緒にいかがですかとまゆみさんに誘われた。リナもわい一緒に食べようなんて盛り上がっている。 7時過ぎるからか残業代は払いませんけど なんて笑いながら言ってくれた。 1人暮らしだった俺にはこの上ない ありがたい状況。俺がオッケーすると2人 は喜んでくれた。3人で賑やかに食べる 食事は美味しかった。まゆみさんの料理も 上手だし、リナは元気で可愛いし、親子の 中もとても良くって微笑えましかった。 楽しい時間を過ごして1人きりの静かな家 に帰る。いつしか俺は大学の講義よりも リナとまゆみさんの家に行くことを楽しみ にしてしまっていた。元々大学は行った方 がいいよと言われ続けていて、なんとなく 入っただけだった。 思えば俺っての言いなりばかりだったなと か改めて考えてリナの自由人ぶりを 思い出し笑ったりする。大学に入ったから には卒業できなくてはならない。さすがに 親に学費を払ってもらってバイトが楽し すぎて単位を落としたってんじゃだめ だろう。そんなわけで4年生になったら 卒業のための勉強や研究に忙しくなり、 毎日行くわけにはいかなくなった。でも なんとか時間を作り週2で行かせてもらっ た。週2回行くとリナは来ない日も宿題 頑張ってるんだよとやった成果を見せて くれる。すごいな。心から関心する。して 行くと毎回まゆみさんが夕飯を一緒に出し てくれるようになった。この2日間のため に他の日は徹夜になっても頑張れた。 そしていつの間にか本当にいつからだった のか分からないけど俺はまゆみさんに恋を していた。リナと勉強したり遊びながら鍵 が鳴る瞬間を心まちにしていた。 帰ってくると胸が高なる。恥ずかしいことにリナにはすぐにバレた。内緒にしてあげるから頑張った。 女の子は大人だなんて思った。そんなだから俺が社会人となる時またのように夕飯を囲みながら家庭教師ももうすぐ終わりね。 誰か紹介してなんてまゆみさんが言った時にはリナは孝太先生じゃなきゃだなんて嬉しいことを言ってくれた。でも平日はやっぱり難しいから土日を一緒に過ごすようになった。俺がまゆみさんと会えるように平日に別の家庭教師いらないように奈は頑張ってくれていた。 そんな日々のある土曜日の夜に俺がいる間 にリナが寝てしまった。そこで改めて まゆみさんに俺礼を言われた。こ太先生の おかげでリナは本当にすごく変わった。で もリナのわがままでこ太先生の週末まで 奪って無理させてごめんなさい。土日は デートとか色々忙しいはずよね。こっちは 来れる時だけでいいんだからね。 無理しないでね。 そんなことないです。 俺はいきなり大きな声を出してしまった。まゆみさんはびっくりして目を丸くしている。俺ここに来たくて来てるんです。リナと勉強するのも楽しいけど俺まゆみさんのことが好きなんです。 [音楽] え、 もう気持ちを抑えきれなかった。 ああ、言ってしまった。しばらくまゆみ さんは止まっていた。どうしよう。余計な こと言ってしまったんだろうか。ああ、 やっぱり言わない方が良かっただろうか。 永遠に感じられるけど、おそらく数秒 くらいの時間が過ぎて、まみさんは言った 。ありがとう。なんか涙目になっている。 そこで前の旦那さんとなんで別れたのかと か初めていろんな話をしてくれた。前の 旦那さんはまゆみさんの収入が目当てで くっついてきただけのダメな男だった らしい。男はもう信用できないんだ。 ごめんね。それって俺のこともってことか な?そうだよって言われたくないから聞け なかった。だけど、その日を境いに俺と まゆみさんはなんか仲良くなった。土日3 人で出っかけたり、外食することも増えた 。リナが見ていない時に後ろでこっそり手 をつぐこともあった。だんだんリナは 大きくなり、家庭教師という名目の人は いらなくなった。というか土日は友達と 遊びたいようだ。そしたら俺はよ済みに なってしまう。リナの成長を考えれば 嬉しいことだけど、まゆみさんに会えなく なってしまう。それは絶対に嫌だ。改めて 告白をして2人でも会って欲しいと伝えた 。まゆみさんは今度は受け入れてくれた。 でも俺に新しい誰かができるまでのつなぎ にして欲しいという。そんなの冗談じゃ ないけど、それが付き合う条件だよと言わ れて、次の人なんか現れないんだから、 それでいいやということにした。リナがい なくても、まゆみさんと2人で色々出かけ たり、時間を過ごした。時々顔を合わせる リナはどんどん大人になっていく。そんな 中、中学生になったリナをお祝いして プロポーズをしたわけだ。結婚を決めた俺 は両親にも報告した。だけどバで中学生の 子れ、しかも10歳近く年上という響きに 分かりやすく嫌悪感を示す両親。俺は どんなに魅力的な親子であるかを俺が どんなに彼女を好きでいるか彼女も俺を 思ってくれていることを語った。でも 分かってもらえず感動を言い渡された。 それでも俺は彼女の元に戻った。気づい たら本当に何よりも大切なのがまゆみさん とリナだったんだ。それから5年俺たちは 3人家族で平和に過ごした。リナは金髪 ギャルとなったけど見た目を飾りたいだけ 。は大丈夫とまゆみさんも俺も分かってい たから無理にやめさせようとはしなかった 。反抗を形にしているわけではない。その 証拠に家では笑いが耐えなかった。本当に 単にギャルをやりたくてやってみてると いったところだ。学校の成績もそこそこ いいので先生も怒れないらしい。自由人の リナらしいじゃないか。このまま3人で 楽しくやっていけると思っていた。3人 ともきっとそう思っていた。その日は まゆみさんの誕生日。帰ってきたら誕生日 パーティーをしようとリナと準備をしてい た。今から帰るね。そんな電話を受けた。 早く帰ってきてねとリナが張り切る。 わかってる。そして電話を切って俺たちは 待っていた。待っていた。ずっと待ってい た。仕事でトラブルでもあって戻ったの だろうか。電話してみようとしたところで 電話が鳴った。ちょうど俺もと言おうと 思ったら番号が違う。出てみたら病院だっ た。まゆみさんは交通事故に巻き込まれて 一瞬のことだったらしい。目の前が真っ暗 になった。そこからの日々は正直よく わからない。病院に行ってまゆみさんで あることをリナと一緒に確認して何したん だろう。葬儀の手配とかしたんだろうか。 もはや地に立っている感覚もない。リナを 思いやる余裕もない。時々視界に金髪が 映っていたのを覚えている。 リナ、俺を見ていたのか?何を見ていたの だろう?正気に戻ったのはしばらく経って からだった。有給は1週間だったので戻ら なくてはならない。 そんなつまらない常識により現実に 引き戻された。そこでリナは俺なんか以上 にショックを受けていたことにやっと 気づいた。俺は何をしていたんだ?自分 だけ落ち込んでリナは明るく俺に話しかけ てきた。明日から仕事気をつけてね。何事 もないかのように明るく 思い返せば俺が状態な中リナが全てを 動かしてくれていた。高校生なのに。俺は リナより14年も多く生きているのに。 リナごめん。本当にごめん。俺が脈落なく 謝るので呆れるリナ。そんなことより早く 元気出して困るよと笑っている。仕事復帰 してもリナはずっと笑っていた。ちゃんと お別れできたんだろうか。俺のせいでその 時間を奪った。俺は親として何ができる だろう。大事な時間を奪ってしまったけど 、こんな俺を親として認めてくれるの だろうか。その後リナの親戚に当たる人が 順番に何人かやってきた。高校生と俺が 暮らしていることに違和感があるらしい。 だけど、まゆみさんの子供のリナは俺に とってもこなわけで、リナが金髪ギャル なんかしてるのもこんな若い人と再婚 なんかしてたからじゃないのなんて心ない ことを言われたり。そんなことないと思う けど自信を持って否定もできない。やはり 俺といるのはリナにとってどうなのかと 悩む。 こんなこんなで俺はどうしたらいいんだと思いながらも結局日々の仕事の往復になっていた。ある日残業して帰りが遅くなった時帰ったらリナが 1人で泣いていた。 もう帰ってこないかと思ったと。 リナはリナでおいを感じていたんだ。 急いでねなんて最後の電話で言ったこと。 そんな何気ない一言もずっと心に刺さって いたらしい。母の夫であった俺ももうい なくなるかもしれないと心の中でずっと 不安を抱えていたリナ。そんなわけない じゃないか。俺はリナに怒った。初めて 本気で怒った。 そして初めてリナは言った。ありがとう。やっと心が繋がった。そうだよ。リナは俺の娘なんだ。何をしてやるも何もちゃんと親子としてこの子を守っていけばそれでいいんだよな。まゆみさん。 あれ? リナが何かに気づいて後ろを振り向くとまゆみさんの使ってたス。 それまで気にしていなかったけど、少し だけ開いてるねって話になって開けてみて 、そこには誕生日プレゼントありがとうと 書いてある髪と包みが入っていた。俺と リナは顔を見合わせる。サプライズ パーティーがっつりバレてたんじゃないか 。さすがまゆみさんだなと笑った。リナも ママには叶わないねと笑う。は泣いて笑っ てやっと心の落ち着きを取り戻す。金髪 ギャルもう飽きたとか言って黒髪高校生と なった。これでうるさい親戚にも文句は 言わせない。俺たちは本物の親子になる。 まゆみさんがタスに隠したプレゼントは 開けずに飾った。でもある時 2人でどうしても気になって 中にはこれからも 3 人で世界一の家族になろうねというメッセージと一緒に 3 人の家族写真が入った。写真てが入っていた。リナと 2人で笑い合い包みから出した写真てを 1 番目立つ場所に飾ってそうだ。俺たちは家族。 俺はリナの父親になる。これからも よろしく。
本日の感動ストーリーは……
💫【離婚を突き付けてきた妻に1年後、再会したのは予想外の意外な場所で…】💫
他、3選なんだて~ん👼✨
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ライター:KAN℃
ナレーション:HIT。me
音楽:魔王魂
WACOCA: People, Life, Style.