東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故の発生から14年半となる福島の復興の状況をデータから見るシリーズ、「データで見る震災・原発事故」。
4回目の11日は、「廃炉の現状」についてです。
東京電力は2051年までの廃炉完了を目指し、原子炉建屋内の使用済み核燃料の取り出し、「核燃料デブリ」の試験的な取り出し、汚染水への対策などを進めてきました。
このうち、事故後、1日あたり500トン発生していた汚染水は、さまざまな対策により、発生量が70トンに減少しています。
ただ、汚染水を処理したあとに残る処理水が増え続け、その量は130万トンを超え、おととしから、基準を下回る濃度に薄めた上で海への放出が始まりました。
これまでに、10万9800トンが海へ放出され、処理水を保管していたおよそ1000基のタンクのうち、12基が解体されました。
使用済み核燃料は、水素爆発などを起こした1号機から4号機に当時、あわせて3108体が残されていましたが、このうち、3号機と4号機では、残されていた2101体すべての取り出しが完了しています。
一方、1号機と2号機には、いまもすべての燃料が残され、取り出しに向け、作業が進められていますが、当初の計画からは10年ほど遅れています。
さらに、デブリの本格的な取り出しは2030年代後半以降とされ、2051年までの廃炉完了が実現できるかどうかは不透明さを増しています。
WACOCA: People, Life, Style.