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2025年9月10日 19:56

【解説】辞任したはずが一転…森屋氏が“再登板” 無投票当選の裏事情を「県政キャップ」が解説 山梨

 7月の参院選で落選し、自民党山梨県連の会長を辞任したはずの森屋宏氏が無投票で当選しました。

 この背景とは、山梨放送で県政キャップをつとめる樋真孝記者が解説します。

“再登板”で無投票当選の背景

 森屋さんは参院選で落選後責任を取る形で県連に辞意を伝えましたが、その時は当然、本気で辞めるつもりだったと思います。

 10日の会見で、森屋さんは「周囲の声」を再登板の理由に上げました。

 しかし、その声の裏には、会長の成り手不足に加え、再来年の知事選や統一地方選をにらみ、県連内に「分裂の火種」を残すべきでないという考えが大きかったとみられます。

「分裂の火種」とは

 会長の有力候補はこれまでの慣例で3人の国会議員でしたが、永井さんは参議院1期目と経験不足で本人も立候補には否定的でした。

 中谷さんも比例復活での衆院当選で動きが具体化することはありませんでした。

 そうすると、経験や選挙の強さから堀内さんが最有力となり支持者からも堀内さんを強く推す声が聞かれました。

 ただ、堀内さんはかつて衆院山梨2区で長崎知事と激しく議席を争った経緯があり会長職についた場合県連内に火種が残る可能性があります。

 ただでさえ自民党は逆風の真っ只中にいますから、知事選や統一地方選が近い長崎知事サイドや県議の大半が党内融和を図ってきた森屋さんを担ぎだす方向で一致しました。

 実は鹿児島県や和歌山県でも参院選の責任を取る形で県連会長が辞意を表明したものの復帰するというケースがありある県連幹部は山梨も人手不足だと嘆いていました。

支持者や県民の理解は得られる?

 県連内には石破総理の退陣を念頭に、中央で新しい風が生まれようとしているのに、県連は逆戻りかと今回の動きを懸念する向きもあります。

 森屋さんは再び会長に就任することになりましたが、県連が生まれ変わった姿を見せられるかが今後、問われることになりそうです。

最終更新日:2025年9月10日 20:11

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