フランス各地で反政府デモ、数千人が参加 政治への不満浮き彫り

フランスで10日、ルコルニュ新首相が就任する中、各地で反政府デモが発生する事態となっている。写真はデモ参加者がバリケードとして設置したゴミ箱の消火にあたる消防士。仏ナントで同日撮影(2025年 ロイター/Stephane Mahe)

[パリ 10日 ロイター] – フランスで10日、ルコルニュ新首相が就任する中、各地で反政府デモが発生し、高速道路が封鎖され、バリケードが燃やされる事態となっている。全土での拘束者は計約500人に上った。マクロン大統領や緊縮予算案、政治家全体に対する幅広い不満が背景にある。

抗議デモは、「全てをブロックせよ」をスローガンにフランス全土に広がった。参加者は約20万人に上るとみられる。

当局は全国に8万人以上の治安要員を配置。警察との衝突により、パリでは約200人が拘束されたほか、全国で300人超が逮捕された。南部モンペリエでは、警察が群衆に向けて催涙ガスを発射した。ただ、多くの集会は平和的に行われたもよう。

南部マルセイユで抗議活動に参加していた労働組合員の男性は「怒りは何カ月も、何年も前から渦巻いていた」とし、「マクロン大統領の2期目で5人目の首相が誕生したが、何も変わっていない」と不満をあらわにした。

デモに参加した21歳の学生は、「若者こそが未来だ。旧世代は私たちにひどい世界、ひどい政府を残した。それを変えるために戦うのは、私たちの責任だ」と訴えた。

マクロン仏大統領は9日、ルコルニュ氏を新首相に指名。ルコルニュ氏は、政権交代式後の演説で、政府は野党との連携において「より創造的、時にはより実務的、より真剣」になる必要があるとしつつ、同時に「断絶が必要となるだろう」と述べた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

Michel Rose

Michel reports on French politics and diplomacy, having covered President Emmanuel Macron at the Elysee since 2017 and the rise of the far right under Marine Le Pen. He also writes about power dynamics in the EU. He previously covered macro-economics and energy. Worked at the Milan, Italy bureau of Reuters during the euro zone debt crisis and at the London headquarters. Michel is a graduate of the London School of Economics and the Sorbonne, and is interested in mental health and social diversity issues.

WACOCA: People, Life, Style.