ダイフクは9月10日、東京本社において米国における成長戦略として、インディアナ州にイントラロジスティクス事業の新工場棟を10月に稼働すると発表した。
また、次世代技術としてAIやロボット等の研究開発拠点を2拠点(東京・京都)開設する計画を明らかにした。
ダイフクはマテリアルハンドリングシステムの総合メーカーとして、自動倉庫などイントラロジスティクス、半導体生産ラインシステム、自動車生産向けラインシステム、空港向けシステムなど6つの事業を、国内外24の国と地域で展開している。
長期ビジョンにおいて2030年に売上高1兆円を目指しており、達成に向けた2027年中期経営計画では、800億円の戦略的投資を設定している。
寺井友章 代表取締役副社長(COO)は「新たな市場開拓やM&A、新規事業など積極的な投資を実行する」とビジョンを示し、主な投資先として今回の米国の新工場棟やインドの新工場、国内では滋賀事業所の新工場棟を挙げた。
<寺井副社長>
ダイフクでは売上の約7割を海外が占めており、米国は2025年12月期中間期で売上構成比率25%を占める、重点市場となっている。
メーカーとして「地産地消」を掲げ、相互関税についても「影響は微々たるもの」とし「コンサルティングから据え付け、アフターまで一貫して行うのが我々の強み」と強調。米国でのさらなるシェア拡大へインディアナ州の既存工場(3万m2)に新棟(2.5万m2)を増設し、生産能力を従来比の約2倍に増強する。
<米国インディアナ州の新工場棟>
「米国では移民政策が進んでおり、人手不足や人件費高騰などの課題がある。インフレやeコマース増加により、生産や物流現場での自動化ニーズは伸びるとみている」と寺井副社長。
イントラロジスティクス事業における2025年度の売上は2200億円、このうち米国は700億円、国内は50%強となると見込んでいる。
<下代社長>
国内市場について下代博社長は「コロナも含めeコマースの伸びが落ち着いてきたが、人手不足を背景にもう一段、自動化をしないと事業そのものが継続できないのではないか。今後、いかに自動化で解決していくかが、1つのキーワードとなる」と語った。
ダイフクでは、中期経営計画において、社長直下の部門横断本部を創設し、新規事業や先端技術の開発を推進。成長ドライバーとなる先端技術の開発へ向けて、東京(2026年1月)・京都(2025年11月)に研究開発拠点を新設する。
<東京Labイメージ>
<京都Labイメージ>
両ラボでは併せて約50名の技術系人材を採用する予定で、AIやロボット、画像処理などの先端技術の研究・開発をスピード感を持って行う。人材交流や産学連携、外部パートナーとの協業も視野に入れているという。
「2030年までにイントラロジスティクスにおいて完全ロボティクス化を目指している。特にピッキング作業など人がやっている部分を、将来的にヒューマノイドに替えていければ。メーカーとして我々も挑戦したいし、夢でもある。新しい時代のマテハンシステムを構築していく」と下代社長は展望を語った。
■東京Lab概要
開設:2026年1月(予定)
住所:東京都港区海岸1-2-20汐留ビルディング19階
面積:約1000m2
人員:約50名(2027年度)
■京都Lab概要
開設:2025年11月
住所:京都市左京区聖護院蓮華蔵町31
面積:約900m2
人員:約90名(2027年度)
ダイフク/滋賀事業所内にパーツセンター機能持つ新工場棟を竣工
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