オーストラリアの政府系ファンド(SWF)フューチャー・ファンドは、米市場への投資を縮小したことを明らかにし、トランプ米大統領による米連邦準備制度理事会(FRB)への圧力を注視しているという。
米資産は依然として、同ファンド保有資産の最大部分を占めると、ラファエル・アーント最高経営責任者(CEO)が9日の記者会見で述べた。
運用資産2520億オーストラリア・ドル(約24兆5000億円)の同ファンドの6月まで1年間のリターンは12.2%だった。
アーント氏は、米国への投資配分をやや引き下げたことについて「ポートフォリオの分散を図るための調整」と説明。相対的に割安感のあるドイツや日本といった市場に重心を移していると述べた。
また、FRBに対するトランプ氏の圧力にも言及。クック理事の解任を求めたり、利下げを要求したりする動きがあるものの、「現時点ではFRBは独立して運営されているように見える」と述べた。
「非常に注目度の高いテーマであり、われわれだけでなく、多くのヘッジファンド運用者の関心事となっている」と語った。
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9日に公表された最新の報告書によると、フューチャー・ファンドは、ポートフォリオの約3分の1を先進国および新興国の株式に配分している。年間リターンは前年の9.1%を上回った。
アーント氏によると、市場の変動にもかかわらず株式投資が堅調なリターンをもたらした。インフラ資産は「非常に良好な」成績を収め、ヘッジファンド投資のポートフォリオも高い利益を上げたという。
原題:Australia’s Wealth Fund Monitors Fed Pressure, Trims US Exposure(抜粋)
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