「前半、日本の前線からのプレスが機能して、メキシコを大いに慌てさせた。ただし、ワールドカップ(W杯)アジア予選で猛威を振るった攻撃は不発。アジアとW杯出場常連国のレベルの違いだね」
「アメリカでの開催とはいえ、4万人以上のメキシコ人観客を前にした事実上のアウェーゲーム。にもかかわらず、日本が優勢だった。過去の対戦成績は1勝4敗だけど、メキシコとの力関係は逆転した」
「とはいえ、メキシコが後半16分前後に4人を交代させて練習試合モードになった。メキシコの出来は期待外れで、日本にとっては収穫に乏しい試合となったのは残念」
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ブラジルメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者のメキシコ対日本の強化試合を見ての率直な感想である。
“ボランチ鎌田”には納得だよ
――まず、この試合の先発メンバーについて。
「10日のアメリカ戦ではなく、この試合に現時点のベストメンバーを投入した。CBに故障者が続出していたから、右から板倉滉、渡辺剛、瀬古歩夢という人選は妥当。他にオプションがなかったとも言える。ボランチの一角に鎌田大地を選んだのは頷けた。遠藤航と佐野海舟を並べたら、余りにも守備的になってしまうからね」
――序盤、日本のアタッカーが積極的にプレスをかけて押し込んだ。
「メキシコは事実上のホームだからもっと攻撃的にプレーすると予想していたが、なぜか受け身だった」
――日本は、前半11分に久保建英が右足でミドルシュートを放ったが、GKに阻まれた。さらに15分、CB渡辺の自陣からのロングフィードを堂安律が受けてGKと競り合いながらシュートを放ったが、ゴールの枠へ入れることはできなかった。
「久保が積極的にシュートを放った。渡辺の精度の高いキック、堂安がタイミング良く走り込んだのも評価できる」
――28分、日本は鎌田からの縦パスが前線へ走り込んだ南野拓実へ渡ったが、南野がCBに潰されてしまった。
「強力なアタッカーなら、決めていた場面。せめて、シュートをゴールの枠へ飛ばしてほしかった」
メキシコは不思議なくらい出来が悪かった
――その後、日本は膠着状態に陥った。メキシコはほとんど攻撃ができず、メキシコのテレビは「日本のプレスに縮み上がって、全くいいところがない」と苛立っていました。
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