先月、山梨県北杜市の宿泊施設で発生した集団食中毒は「ウエルシュ菌」という細菌が原因でした。
このウエルシュ菌による食中毒は家庭でも起きる可能性があり、特に「2日目のカレー」には注意が必要です。
9月も猛暑が続く中、暑い時期に食べたくなるメニューと言えば…
街の人
「夏と言えばカレーは好き」
「カレーはよく作ります」
老若男女問わず、人気のカレー。
街の人からはこんな声も聞かれました。
10代学生
「(カレーは)何日も日持ちがするので、2日目に食べるカレーは一番おいしい」
50代女性
「カレーはたくさん作っておいて、次の日にカレードリアにしたりする」
50代男性
「熟成されている感じがする…濃い感じ」
できたてより好きな人も多い、2日目のカレーですが、実はそこに食中毒の危険が潜んでいます。
県衛生薬務課 食品・衛生指導監 杉本繁信さん
「保存方法に気を付けないと、2日目のカレーにはウェルシュ菌が繁殖し、食中毒のリスクが一気に高まる。基礎疾患のある方、子どもや高齢者ではまれに重症化することもある」
山梨県によりますと、先月、北杜市の宿泊施設で10代の男女66人を含む73人が発症した食中毒はウエルシュ菌によるものでした。
施設で提供されたカレーやスープ、煮物などが原因となった可能性があるといいます。
ウエルシュ菌による食中毒は下痢や腹痛が主な症状で、大鍋で大量に調理する煮込み料理などで起きやすいのが特徴です。
県衛生薬務課 杉本繁信さん
「ウエルシュ菌は12℃から50℃程度の環境下で数を増やすため、大量に作った料理を常温で保存すると、冷めていく過程で増殖しやすい環境が生まれる。さらに熱に強く、100℃でも死滅しないため、十分に加熱したから安全ということはない。そのため、ご家庭でも2日目のカレーや、山梨だと2日目のほうとうにも十分に注意する必要がある」
では、ウエルシュ菌による食中毒を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
県衛生薬務課・杉本繁信さん
「まずは、なるべく作り置きはせず、調理後はなるべく早めに食べること。もし、保存する場合は小分けにしてすぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存する。鍋のまま一晩、置いておくのは絶対にやめてほしい」
おいしさよりも安全を…
2日目のカレーにはくれぐれも注意が必要です。
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