韓国、対米貿易交渉は為替問題で膠着状態=高官

 9月9日、韓国大統領室の金容範政策室長は、米国との貿易協定をまとめるための交渉が為替の問題で滞っており、3500億ドルの投資パッケージによる市場への影響を抑える方法を見つけるよう米国に要請していると明らかにした。写真は韓国ウォンの紙幣。2017年5月撮影(2025年 ロイター/Thomas White)

[ソウル 9日 ロイター] – 韓国大統領室の金容範政策室長は9日、米国との貿易協定をまとめるための交渉が為替の問題で滞っており、3500億ドルの投資パッケージによる市場への影響を抑える方法を見つけるよう米国に要請していると明らかにした。

韓国は7月に合意し、投資パッケージが盛り込まれた協定について、まだ文書化に至っていない。

金氏はフォーラムで日本を引き合いに「貿易黒字に大きな差はないが、経済規模や、より重要な外国為替市場の状況は大きく異なる」と指摘。韓国が対処すべき最も重要な問題は国内のドル/ウォン相場に与える影響だと述べた。

市場関係者の間では、3500億ドルの投資が長期的にウォンの下落圧力を強めるとの見方が強まっている。

金氏によると、投資額3500億ドルに対し、同国の国営政策銀行が1年間に調達できるのは最大200億─300億ドル。国民年金基金の月間海外投資額は20億─30億ドルで、市場ではすでに、同基金の海外投資が大きなウォン安要因として指摘されている。

ウォンは今年6%上昇しているが、昨年まで4年連続で下落し、15年ぶりの安値を記録していた。

韓国は4月下旬の初回の貿易交渉で為替政策を議題に含めることで米国と合意。それ以降、実務者レベルの協議が行われている。

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