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 強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で成長と結果を目指す「2025 関東 ROOKIE LEAGUE」のAリーグ最終節が6日に行われ、山梨学院高(山梨)が2位をキープ。U-16の全国大会、「MIZUNOCHAMPIONSHIP」(12月)出場を決めた。

 現時点では、例年のような勢いのある年代ではないという。だが、チームは勝ち点、失点数の明確な目標を設定し、そこへ向かって行ける力を示した。島村龍太コーチは「(過去のデータを参照し、リーグ目標を)勝ち点を18に設定して、3試合で勝ち点6を絶対取って、18で全国行こうっていう話だったんで、19取れたので良かった」。この半年間、毎試合課題の振り返りを重ねながら、9試合で勝ち点18と、1試合平均1失点を切ることにチャレンジ。リーグ2位の勝ち点19とリーグ最少の8失点で全国大会出場を果たした。

 山梨学院は8月31日の前橋育英高(群馬)戦で先制しながらも、1-3で逆転負け。残り1試合で首位・日大藤沢高(神奈川)との勝ち点差が4となり、2年ぶりの優勝には手が届かなかった。この日の桐光学園高(神奈川)戦前に2位を争う流通経済大柏高(千葉)と前橋育英がいずれも敗れ、試合前に「MIZUNOCHAMPIONSHIP」出場圏内の2位以内が確定。それでも、緩まず、無失点で勝って目標をクリアすることに集中し、3-0で最終節を終えた。

 山梨学院は序盤から相手を押し込む形で主導権。しなやかさと対人能力の高さで存在感を放つ右SB佐藤輝芽がクロスと連続のロングスローで相手にプレッシャーをかける。また、強力FW山崎陽が抜群のキープ力で前進。MF小沼琉之介、MF藤井亮成の両翼の仕掛け、クロスも交えて攻めてゴールに迫るが、桐光学園のGK小林輝流や左SB菅野雅也らの好守に阻まれてしまう。

 また、相手の速攻を受けるシーンもあったものの、「チームのために仕事ができる」(島村コーチ)というダブルボランチ、MF蝦名翔太とMF市成光喜が回収力を発揮。そして焦れずにゴールを目指し続けると、前半31分、佐藤のパスで小沼が抜け出し、最後はGKとの1対1を制して先制した。

 インターハイにも出場している小沼のゴールで1-0。その山梨学院は後半7分、ハイプレスによって山崎が相手DFのパスを引っ掛ける。最後はGKをかわして左足シュート。貴重な追加点を挙げた。

 後半は桐光学園にサイドのスペースを突かれてクロス、シュートへ持ち込まれる回数が増加。それでも、注目GK石井那樹が安定したキャッチングで相手の勢いを断ち切ったほか、望月琉希、石塚凜夢の両CBが高さを発揮するなど崩れない。

 そして、MF宮下琉の左足FKや左SB菊田陽埜のクロスからシュートシーンを創出。また、山崎が中央突破で決定機を迎える。すると後半29分、左へ抜けた山崎のクロスが相手DFのハンドを誘い、PKを獲得。山崎が一度GKに止められながらもこぼれを押し込み、3-0とした。

 試合前に全国大会出場が決まったが、主将の石井は「今日勝って勝ち点3取って、無失点だったら目標を達成できるという状況だったので、(全国大会出場が)決まっていたけれど、逆にその目標に集中して、達成しようかなっていう雰囲気がチーム全体にありました」と振り返る。

 試合終盤は桐光学園のサイド攻撃の前に決定的なピンチも。だが、「今日の試合にも限らず、全9試合通して無失点っていうのは全員が共通認識で意識してやったかなと思いますし、それが今日しっかりゼロで守れた要因にもなれたかなと思います」という石井中心に封じ、交代出場のMF森下旭翔やMF芳賀一騎、FW市川怜大も含めて最後まで走り切った。

 山梨学院は半年間の目標を達成。だが、島村コーチは「(2位は)現時点での順位なので、ここで満足すると伸び悩むのが絶対にあるので。どこの指導者の方もそうだと思いますけど、勝負するところは2年後の選手権っていうのはもう常に言っている」。2年後やその先の将来を見据えて強化を重ねる。

 その過程で迎える「MIZUNOCHAMPIONSHIP」で先輩たちの最高成績4強を超えること、日本一を勝ち取ることは選手たちにとって新たなモチベーションになりそうだ。石井は「このチームは一体感っていうのもありますし、守備を全員で守るとか、そういうところが特長のチームなので、それは継続して全国大会に出たい。先輩たちが去年は優勝できなかったんで、その分まで優勝できるようにしたいです」。激戦区・関東で3年連続の全国大会出場。個の成長も見せる山梨学院が、日本一を取れるチームになって「MIZUNOCHAMPIONSHIP」に挑む。
 

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