ロシア政府、国内での人民元建てソブリン債発行の意義改めて強調

 9月8日、ロシア財務省は、人民元の流動性を持続的に呼び込むための土台として、国内市場で人民元建てソブリン債の発行を実現する必要があるとの見解を示した。写真は式典で署名するプーチン露大統領。2014年9月、ロシアのウス・ハティンで撮影(2025年 ロイター)

[モスクワ 8日 ロイター] – ロシア財務省は8日、人民元の流動性を持続的に呼び込むための土台として、国内市場で人民元建てソブリン債の発行を実現する必要があるとの見解を示した。

これに先立ちロシア通信(RIA)は、ロシア企業による中国本土での債券発行について両国が協議していることを財務省が認めたと報じていた。既に複数のロシア企業が関心を示しているという。

企業関係者の話では、ロシアの原子力企業ロアストムや国営天然ガス企業ガスプロムなどがこうした「パンダ債」の発行を検討中。パンダ債は、中国本土で外国発行体が人民元建てで起債する債券を指す。

ただロシア財務省は「望ましいのはパンダ債ではなく、ロシアの取引プラットフォームで地元発行体が起債し、中国本土から投資家が購入できる(人民元建て)債券だ」と強調。実現のためにはロシアと中国の証券保管金融機関を直接リンクさせなければならず、そうすれば中国本土の投資家がロシア市場にアクセスできると述べた。

人民元はロシアで最も多く取引されている外貨だが、ロシアの債券市場は中国に比べて流動性が極めて低い。

人民元建てソブリン債発行を巡るロシアと中国の協議は10年余りにわたって続いているものの、ロシアが国内の金融インフラ利用義務化を主張しているため、ほとんど進展していない。

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