英資源・鉱業会社アングロ・アメリカンが、カナダ資源大手テック・リソーシズの買収を巡り合意に近づいていることが、事情に詳しい関係者の話で明らかになった。

  情報が非公開だとして匿名を条件に語った関係者によると、アングロはテック買収について協議を進めており、今週中にも合意を発表する可能性があるという。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、両社の統合が実現すれば、鉱業界で過去最大級の買収案件となる見通しだ。テックの株価はトロント市場で過去1年間に約20%下落しており、現在の時価総額は約237億カナダ・ドル(約2兆5300億円)。一方、アングロの株価はロンドン市場で同期間に15%上昇しており、時価総額は約269億ポンド(約5兆3700億円)となっている。

  一部の関係者によれば、アングロは買収対価の大部分を株式で支払うことを検討している。ただし、買収合意の時期や条件は変更される可能性があり、交渉が最終的に合意に至らない可能性もある。

  アングロの担当者はコメントを控えた。テックはコメントの求めにすぐに応じていない。

  両社は近年、大手鉱山会社による買収提案の対象となってきた。アングロは昨年、BHPグループによる490億米ドル(約7兆2200億円)規模の買収提案を退けた。また、2023年のグレンコアによるテック買収計画も成立には至らなかった。今回のアングロによるテック買収が実現すれば、アングロが将来的な買収提案に対して防衛力を強めることになりそうだ。

原題:Anglo American Is Said to Near Deal to Acquire Teck Resources(抜粋)

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