
ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツを除く全ての欧州自動車メーカーは、電気自動車(EV)の新車販売台数の急増が見込まれることから、欧州連合(EU)の2025─27年の二酸化炭素(CO2)排出目標を達成する見通しだ。写真はボルボ・カーズのEV「ES90」。ストックホルムで3月撮影(2025年 ロイター/Marie Mannes)
[ブリュッセル 8日 ロイター] – ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツ(MBGn.DE), opens new tabを除く全ての欧州自動車メーカーは、電気自動車(EV)の新車販売台数の急増が見込まれることから、欧州連合(EU)の2025─27年の二酸化炭素(CO2)排出目標を達成する見通しだ。環境保護団体トランスポート・アンド・エンバイロメント(T&E)が8日発表した調査報告書で明らかになった。T&EはEVの販売台数について、25年上半期実績から大幅な改善が見込まれると予測。当時、目標達成が見込まれていたのは中国吉利汽車傘下のスウェーデンのボルボ・カーズとドイツのBMW(BMWG.DE), opens new tabだけで、欧米ステランティス(STLAM.MI), opens new tab、フランスのルノー(RENA.PA), opens new tab、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE), opens new tabとメルセデスは後れを取っていた。
報告書は、電池価格の下落と充電インフラの急成長で、より手頃な価格帯のEV投入が増え、需要を後押ししていると指摘。電池式EV(BEV)の販売台数のシェアは今年の18%から27年には30%を超えると予測している。
T&Eは、これは目標が機能していることの表れだとし、30年と35年の次期目標を引き下げればEVへの投資が後退し、中国の優位が拡大する恐れがあると警告した。
自動車業界団体は、35年までの100%削減を含む将来のCO2排出削減目標はもはや達成不可能だとしている。
EU欧州委員会は3月、欧州自動車メーカーからの圧力に屈し、新車の乗用車・小型商用車向けCO2排出目標の達成期限を1年から3年に延長した。
T&Eは、メルセデスは収益性の高いエンジン車に注力しているため、引き続き目標達成が他社より遅れる見通しだと分析した。目標が達成できない場合は罰金が科される。
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