ウクライナとその支援国による有志連合の首脳が4日、戦後のウクライナの安全保証を協議する会合をパリで開催した。フランスのマクロン大統領は、停戦が実現した場合の安全の保証提供を26カ国が約束したと明らかにした。
ただ、会合に電話参加したトランプ米大統領は、米国の後ろ盾を確約するには至らなかったという。
ウクライナのゼレンスキー大統領と並んでパリで記者会見したマクロン氏は、ウクライナに対する米国の安全保証支援の内容は数日以内に詳細が詰められる見込みだと述べた。
ゼレンスキー氏は、トランプ氏を含めた協議の内容は詳細に及び、長い時間がかかったと説明。安全の保証について政治的な側面も話し合ったと語った。
戦場で使用される兵器の60%は、いまやウクライナ国内で生産されているともゼレンスキー氏は述べた。
会合にはこのほか、ウィトコフ米特使、フォンデアライエン欧州委員長、コスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)、フィンランドのストゥブ大統領、オランダ、デンマーク、ベルギー、ポーランドの首相がそれぞれ出席。英国、ドイツなどの首脳はビデオ電話で参加した。共同通信によると、石破茂首相もオンライン出席した。
パリに集結したゼレンスキー大統領と有志連合の首脳ら(9月4日)
Photographer: Ludovic Marin/AFP/Getty Images
ロシアが新たな攻勢か
会合では、ロシアがウクライナで新たな攻撃を仕掛ける可能性についても協議されたとみられる。
フランス南部トゥーロンで先週開催された安全保障会議では、ドイツとフランスの当局者が、ウクライナが支配する東部ドネツク州の要衝ポクロウシク周辺に集結するロシア軍について協議したと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。
ゼレンスキー氏が8月29日に述べたところによれば、ロシアは同市郊外の前線に10万人の兵士を再配置した。ロシア軍は1年以上にわたり同市の包囲・制圧を試みているが、これまでのところ実現していない。
ポクロウシクが陥落すれば、ロシアはドネツク州全域の制圧に向け、より規模の大きいクラマトルスクやスラビャンスクへの攻撃に乗り出す足掛かりを得ることになる。
ロシアが仕掛けた夏場の攻撃は、これまでのところ大きな成果をもたらしていない。ロシア軍の進行は遅く、5月から8月にかけて制圧したのは2033平方キロメートルにとどまり、これはウクライナ総面積の0.3%に過ぎない。
原題:Kyiv’s Allies Fear Putin Is Readying New Assault in Ukraine (1)、Zelenskiy Says Discussed Security With Trump, Need to Meet Putin、Macron Says 26 Nations to Back Security Guarantees for Ukraine(抜粋)
WACOCA: People, Life, Style.