サッカー日本代表は現地時間6日のメキシコ代表戦、0-0のスコアレスドローで終えた。W杯を見据えた強豪国相手に手ごたえと課題が共存するドローとなったわけだが、NHKのテレビ中継に映らなかった裏側を現地取材記者のミムラユウスケ氏に電話で聞いた。〈NumberWebレポート/全2回。第2回につづく〉
アウェイというより“お祭りムード”だった
――メキシコ戦、4万5278人の大観衆が詰めかけたということで、NHKの中継を見ている限り基本的には敵地の環境に見えました。
「でもじつは、アウェイ感はなかったんです。試合前、観客はみんな普通にバーベキューをしていましたし(笑)。エンタメとして楽しみに来ている人が多くて、サッカーの試合を応援しに来ているサポーターという感じではなかったです」
――確かに今、LINEで送信してもらった写真を見ていますが……のどかですね。そんな中でメキシコサポーターの反応は?
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「強化というより、親善試合感が強かったですね。ただW杯本大会を見据えた場合、日本も対戦カードによってはああいう空気感になる可能性はあるかなと思います。W杯だと日本と相手国と、それ以外のファンという3パターンがいると思うんですけど、今日みたいな空気感なのかなと。事前のお祭りも含めて楽しみに来ている人もいる感じで、野球場に来ているなという感じがしました。野球も終盤以外はそこまで熱心に見ないじゃないですか。スタジアムの形状だけではなく、ベースボール観戦的な空気感があったかなという印象です」
――メキシコの民族衣装を着て踊っている人も後半途中からいましたが、そういう意味では親善試合に近い雰囲気だったんですね。会場は昨年までメジャーリーグのオークランド・アスレチックスが使用していた野球場(オークランド・コロシアム)でした。大谷翔平選手がメジャーデビューを果たした球場としても知られていますが、NHKでの中継を見る限り、さすがにサッカーの会場としてはいびつじゃなかったですか?
「南野拓実選手は『ベンチの位置とかは違和感があった』と言っていました。そもそも仮設ベンチだし、選手入場口と反対サイドにあるし。久保建英選手も『ちょっとゆるい雰囲気だったのか……あまりスタジアム自体もサッカーっていう感じでもなく』と話していましたね」
――なるほど。
メキシコ代表から突然ホットドッグの差し入れ
「そういえば、試合後にびっくりしたことがあったんです」
――なんでしょうか。
「メキシコ代表から、突然ホットドッグの差し入れがあったんです」
――え……どんな経緯でそんなことに?
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