カナダパビリオンで働くビーホアンさん【写真:Hint-Pot編集部】カナダパビリオンで働くビーホアンさん【写真:Hint-Pot編集部】

 2025年大阪・関西万博の会期も、残すところあと1か月余り。連日多くの来場者でにぎわう万博会場では、各パビリオンで働く外国人スタッフたちが、訪問者をもてなしています。日本で暮らし、日本人と日々接するなかで、彼らはどのような発見をしているのでしょうか。「再生(Regeneration)」をテーマに、専用タブレットを用いたAR技術を使って、カナダの壮大な自然と先進的な都市を没入体験できるカナダパビリオン。そこで働くビーホアンさんは、日本に住んで8年が過ぎた今でも、日本の都市部の建物に驚きを感じているといいます。いったい、どんな光景だったのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

ワーホリから始まった日本での生活 日本人と結婚

 カナダ東部、モントリオール出身のビーホアンさん。最初はワーキングホリデーを利用して来日し、シェアハウスに住んでいました。シェアメイトがほぼ日本人だったため、日本語を話さざるを得ない環境で日本語を習得。1年間の滞在後にカナダに帰国しましたが、日本への思いが募り、2019年に再来日を果たしました。

「もともとアニメが好きで、19歳くらいのときから海外に住むことが気になっていた。そのとき、兄がオーストラリアへワーホリに行っていたのもあって、自分も3か月の予定で日本に来たのだけど、日本がとても好きになってしまったの」

 再来日後は1年半、語学学校に通い、関西学院大学を卒業。そして日本人と結婚し、日本での生活は8年に及んでいます。現在は、カナダパビリオンで活動中です。

「多種多様なお店が入っている」 日本ならではの雑居ビル

 ビーホアンさんがとくに印象深く感じているのは、日本の都市部における建物の配置でした。

「モントリオールは、中心部しか人が多くない。でも、大阪は梅田から離れても、街がすごくにぎやか。印象深いのが大阪の道頓堀。人が多くて、雑居ビルの中にたくさんのお店が入っている。見ていて、すごい! って思ったの」

 さらに驚いたのは、ビル内のテナント構成でした。

「ビルにたくさんの店が入っているのは珍しくないけど、日本みたいにオフィスの隣にバーとか、ネイルサロンとかが入ってるのは驚いた。カナダだと、オフィスはオフィスのビル、店は商業ビルってなんとなく固まっているけど、日本だと1つのビルに、多種多様な店やオフィスが入っているんだもの」

 カナダでは、用途別に建物が分かれることが一般的なのだとか。日本では、同一ビル内にオフィスや飲食店、サービス業などが混在するケースが少なくありません。

 外国人ならではの新鮮な視点。万博という国際的な舞台でも、来場者が各国パビリオンを通して、新たな発見や驚きを得るかもしれませんね。

(Hint-Pot編集部)

WACOCA: People, Life, Style.