全国各地の道の駅に近接する「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル」。2020年から順次オープンし、現在は北海道から九州まで29ホテルを展開しています。道の駅といえば、地域のおいしいものや情報が集まる地元民と旅行客のクロスポイント。旅の拠点にすれば、よりディープな“日本”が堪能できます。第2回は、京都府唯一の村にある「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」から、日本最古の道が残る天理市の「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」を目指します。
各国の首脳を唸らせた銘酒「半蔵」にうっとり
「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」をチェックアウトした朝、再び隣接の道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」内のレストラン「つちのうぶ」に向かう。ここでは朝食として、朝カレーセットなど5種類の朝食を用意している。カレーに心ひかれつつも、ほうじ茶が香る茶粥(ちゃがゆ)が味わえる「茶粥御膳」を注文する。メニューに“村のやさしい朝ごはん”とあるとおり、茶粥に焼き魚や伊賀産卵の出汁巻き、甘辛いタレが絡んだ「大豆南蛮」などのお惣菜がつき、どれもなつかしい素朴なおいしさ。サラッとたいらげ、本日最初の訪問先「大田酒造」のある三重県伊賀地方へ向かう。
1892年(明治25年)創業の大田酒造は、高品質な酒米が育つ伊賀で育った「山田錦」や「神の穂」をつかった酒づくりを続ける老舗。忍者・服部半蔵(はっとり・はんぞう)ゆかりの地・伊賀上野で、その名を冠した「半蔵」などを醸している。「半蔵 純米大吟醸磨き40」は、G7伊勢志摩サミットの乾杯酒として各国首脳に振る舞われた。
「昔ながらの木桶(きおけ)で仕込んだり、地元契約栽培米の『うこん錦』をつかったりと、地域に根ざした丁寧な酒づくりを大切にしています」
と胸を張るのは、酒蔵を案内してくれた7代目杜氏(とうじ)の大田有輝さん。毎年10月からお酒づくりがはじまり、ゴールデンウィークには仕込みが終わり、6月には梅酒を製造するという。
「現在、4名のスタッフでお酒をつくっています。平均年齢35歳くらいのチームで、酒蔵としては若いほう。7年前までは70代の杜氏と60代、50代の蔵人(くらびと)で製造していました。当時は毎年6ヵ月間の季節雇用だったんですが、現在は8ヵ月かけてゆっくりお酒をつくっています」(大田さん)
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