【9月6日 東方新報】8月12日は「世界ゾウの日」にあたる。アフリカゾウの移地保全において、最大の課題の一つは繁殖の難しさだ。2016年にアフリカゾウ12頭を導入して以来、上海野生動物園(Shanghai Wild Animal Park)は長年にわたる取り組みを通じて、この課題を克服しつつある。

昨年11月、同園で初めてアフリカゾウの赤ちゃんが誕生して以降、わずか半年余りでさらに2頭の赤ちゃんが生まれた。2024年11月27日、若い母ゾウ「小白(Xiao Bai)」が体重約100キロの元気なオス「小小白(Xiao Xiao Bai)」を出産。2025年2月13日には「露露(Lu Lu)」が22か月の妊娠を経て、体重135キロのオス「小小露(Xiao Xiao Lu)」を出産。そして今年5月22日には、「露絲(Lu Si)」が約90キロのメスを産んだ。

アフリカゾウは気候や食物、社会環境の変化に極めて敏感で、わずかな違いが生存や繁殖に影響を及ぼす。そこで同園は、大規模な群れ飼育による管理体制を採用し、野生下の環境に近い生態を再現。餌の種類や個別の栄養プランの作成、定期的な体重・身長測定、排泄物の計量、健康診断や寄生虫予防など、きめ細かなケアを徹底している。

現在、「露絲」と赤ちゃんは専用の育児エリアで過ごしており、「小白」親子や「露露」親子も近くで生活している。母ゾウ同士を近くに配置することで、互いに育児経験を共有できるようにしているという。

初産だった「露絲」は、体が大きすぎて授乳しづらい場面もあったが、飼育係が足元にわらを敷いて高さを調整し、授乳を助けた。母乳を飲む子ゾウが小さな頭を揺らす姿は愛らしく、今では元気に成長して兄弟と鼻でじゃれ合う姿も見られる。

アフリカゾウの赤ちゃんが次々と誕生したことは、同園の高い繁殖技術を示すと同時に、世界的な保全活動における新たなモデルにもなり得る。今後、この成長記録はゾウの保全・繁殖や幼獣発育の研究に貴重なデータを提供し、将来的には遺伝的多様性を高める種の交換にも貢献することが期待されている。(c)東方新報/AFPBB News

 

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