藤崎八旛宮の秋季例大祭の多様な魅力を紹介した小冊子「祭季 ふじさき」
「皆さんが出会っていない、祭りの風景や物語がたくさんあります」−。藤崎八旛宮(熊本市中央区井川淵町)の秋季例大祭と言えば、勇壮な飾り馬の馬追いが注目されるが、その他の多様な魅力を含めて紹介する小冊子「祭季 ふじさき」が発行された。ハイライトの神幸式の歴史、行列の全容、祭礼などを写真と簡潔な説明文で示した。藤崎八旛宮や市中心商店街で無料配布している。
例大祭は獅子飾卸、神楽などの神事がある第一日祭で始まり、3日目の重要な神事、献幣祭は毎年15日にある。その後の日曜、または祝日に行う神幸式は、御神幸行列と奉納行列から成り、最後を飾るのが市民の勢子(せこ)による飾り馬奉納だ。今年は21日。
小冊子は、神様を迎えた神輿を先頭に早朝、行列が始まる様子や、加藤清正に由来する護衛役の随兵(ずいびょう)、唐子(からこ)衣装の子どもたち、獅子舞や町鉾(ほこ)などの写真を掲載。衣装の着付けや繕い役、あでやかな祭り衣装の女性の姿も印象的だ。
神幸行列が休憩、滞在するのは、西南戦争で焼失するまで藤崎八旛宮があった藤崎台下の「御旅所」。そこで奉納される能楽、例大祭期間中に境内で奉納される神楽や献茶も写した。
岩下通弘宮司は「飾り馬は神幸式の中心と思われがちだが、奉納行列の一部。冊子を通して例大祭の意義、奥深さなどを正しく知ってほしい」と話している。
発行は藤崎八旛宮総代広報募財部会。B6判52ページ。
(藤崎真二)
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