米国株式市場=小幅安、景気先行き懸念が重し 利下げ期待高まる

米国株式市場は小幅安。3月撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク 5日 ロイター] – 米国株式市場は小幅安。雇用の減速を明示する米雇用統計を受け、景気先行き不透明感が相場への重しとなる一方、連邦準備理事会(FRB)の利下げを巡る楽観的な見方が広がった。

8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は2万2000人増と、市場予想の7万5000人増を大幅に下回った。失業率は4.3%に上昇し、約4年ぶりの高水準に達した。 もっと見る 銀行株の売りが膨らみ、S&P500銀行株(.SPXBK), opens new tabは2.4%安で取引を終えた。一方、半導体大手ブロードコム(AVGO.O), opens new tabが9.4%上昇し、相場を下支えた。人工知能(AI)半導体の大型受注を発表したことが好感された。 もっと見る

FRBによる大幅利下げの期待が高まる中、主要株価3指数は一時、日中最高値を更新。その後下落したものの、一時の下げからは切り返して引けた。

IGノース・アメリカのピート・マルマット最高経営責任者(CEO)は「足元、この相場を崩すには1つ以上の悪いデータが必要だ」と述べた。

USバンク・アセット・マネジメントの資本市場リサーチ&ポートフォリオ構築担当のビル・メルツ氏は「雇用統計は労働市場の軟化を裏付け、月内のFRB会合での利下げを正当化する内容だ」と述べた。

LSEGによると、金利先物市場は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイント利下げの確率を7%、0.25%利下げの確率を93%と織り込んだ。

利下げ期待から不動産セクター(.SPLRCR), opens new tabは1%高、フィラデルフィア住宅指数(.HGX), opens new tabは2.1%高。下落銘柄では、カナダのスポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカ(LULU.O), opens new tabが18.6%安。2回連続での通期利益見通しの下方修正が嫌気された

来週発表される消費物価指数(CPI)が注目されている。

週間では、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabが0.3%安、S&P総合500種(.SPX), opens new tabが0.3%高、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabが1.1%高。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.87対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は169億5000万株。直近20営業日の平均は160億5000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.