注目された8月の米雇用統計は今月の利下げ再開見通しを強める内容で、株式と債券が急伸している。

  米2年債利回りは一時12bp低下し、3.47%。10年債利回りは9bp余り低下して4.10%を下回った。いずれも、トランプ米大統領が貿易相手国全般に対する関税を初めて発表した4月以来の低水準となる。

  米国の金融政策判断の日程に連動するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は、ハト派的な方向に動いた。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げを完全に見込んだ上で、50bpの利下げがある可能性もわずかながら織り込んだ。

  ドルは売られ、対円では一時1%安の147円ちょうどを付けた。このほか、スイス・フラン、オーストラリア・ドルに対しても下落率が一時1%を超えた。

  8月の米国の非農業部門雇用者数は2万2000人増と、予想の7万5000人増を大きく下回った。失業率も小幅に上昇して4.3%と、2021年終盤以来の水準に達した。

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Treasury Two-Year Yield Sinks on Weak Jobs

 

 

  米国債利回りは全年限で6-11bp低下。短期債の利回り低下が大きく、利回り曲線はスティープ化している。

  OISが織り込む年内残り3回のFOMCでの合計利下げ幅は70bpに拡大し、3回の全てで利下げがある可能性が高いとトレーダーがみていることが示唆される。4日の取引終了時点では59bpだった。

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原題:Treasuries Jump After Weak Jobs Data Cements September Rate Cut(抜粋)

(相場を更新します、更新前の記事は見出しを修正しています)

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