南砺の糸文化 基礎学ぶ 福光麻布、福野縞、城端絹…

学生らが福光麻布や城端絹など糸文化の基礎知識を学んだ座学=南砺市役所で

金沢美大生が宿泊研修 座学や機織りなど体験 南砺市の糸文化(福光麻布、福野縞(じま)、城端絹など)への理解を深める滞在・体験型の夏季集中研修が2日、市内で始まり、金沢美術工芸大(金沢市)の工芸科染織コース2年生6人が南砺市役所で糸文化の歴史や基礎知識を学んだ。学生たちは5日まで市内に滞在し、機織りや糸紡ぎなどを体験する。(武田寛史)

 起業家伴走支援に取り組む一般社団法人「ジソウラボ」(井波本部・南砺市)が主催し、市と一般社団法人南砺文化芸術振興機構が協力。同大の大高亨教授が学生を引率、指導する。

 座学ではジソウラボ理事の前川大地さんが、福光麻布、綿織物の福野縞、城端絹、井波や五箇山の養蚕などについて講義した。前川さんは「産業が成り立たなくなったから糸文化は終わりではなく、糸文化の手仕事や魅力などを再検証したいという思いで活動している」と話した。

 学生たちは3日、福光麻布の座機織り、福野縞の綿糸紡ぎ、4日は井波養蚕の糸抽出と藍染め、5日は五箇山和紙の紙すきに挑戦する。滞在期間中に城端絹などの織物工場も見学する。

 谷内紬(つむぎ)さん(神奈川県出身)は「布や紙の染めがしたいので、五箇山和紙に興味がある」、石野太斗(たいと)さん(石川県白山市)は「組みひもをしているので、糸を紡ぐ作業をしてみたい」、草場風香さん(千葉県出身)は「麻、綿、絹のすべてがある地域のまち自体にも関心がある」と期待していた。

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