9月4日 欧州連合(EU)のオンラインコンテンツ規制を巡る裁判で3日、独ファッション小売りのザランドが敗訴した。写真はザランドのロゴ。2020年8月、アイルランド西部ゴールウェイで撮影(2025年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)
[ブリュッセル 3日 ロイター] – 欧州連合(EU)のオンラインコンテンツ規制を巡る裁判で3日、独ファッション小売りのザランド(ZALG.DE), opens new tabが敗訴した。判決は、オンラインプラットフォームに対し、違法・有害なコンテンツ対策を強化させるEU当局の取り組みを後押しするものだ。
ザランドは、EUのデジタルサービス法(DSA)に基づき「超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定されたことを不服として、欧州委員会を提訴していた。
この指定により、ザランドはアルファベット傘下のグーグルやメタ・プラットフォームズと同じ分類となり、DSAの厳しい要件に従うことが求められている。
DSAを巡っては、トランプ米大統領が巨大IT企業に対するいかなる措置にも報復すると警告。米国内の一部の政治家や企業もDSAをオンライン検閲だと批判している。
これに対し、欧州委員会は今回の判決が米国の批判者たちにメッセージを送るものだと述べた。
欧州委員会の報道官は「本日の判決は、DSAが非差別的な手段であることを改めて確認するものだ。DSAは、ザランドのような欧州のプラットフォームを含む、EU内のすべてのオンラインプラットフォームに適用される」と述べた。
ザランドは、自社が独自の製品を販売するだけでなく、パートナー企業から提供された製品も取り扱う「ハイブリッドサービス」であり、他の巨大オンライン企業とは異なると主張していた。
だが、ルクセンブルクを拠点とするEU一般裁判所は、この主張を退けた。
裁判所は「一般裁判所は、ザランドの同名プラットフォームに対する超大規模オンラインプラットフォーム指定を不服とする同社の訴えを棄却する」と述べた。
ザランドは判決に失望していると述べ、欧州の最高裁判所である欧州司法裁判所に上訴する方針を明らかにした。
同社は声明で、「当社の厳選されたビジネスモデルは、VLOPと推定されるような、第三者からの有害または違法なコンテンツを拡散する『システミックリスク』をもたらすものではない」と述べた。
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