笑顔を見せながら練習に臨む三笘(撮影・垰建太)
【バークリー(米カリフォルニア州)3日(日本時間4日)=佐藤成】日本代表(FIFAランキング17位)は6日(同7日)に控えるメキシコ代表(同13位)戦に向けて3日目の活動を行った。冒頭15分間が報道陣に公開され、ダッシュやステップ、ボール回しのメニューを消化。前日まで途中から別メニューで調整していたMF三笘薫(28=ブライトン)も右膝の下にテーピングを巻きながら軽快な動きをみせた。21年に破れた東京五輪3位決定戦メキシコ戦で途中出場から一矢報いるゴールを決めたドリブラーが4年前を再現し、今度はチームを勝利に導く。
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三笘の出来がチームの勝敗を左右する。アジアを圧倒した攻撃的な3バックシステムで、重要な左ウイングバックを担う。強豪相手にどこまで主導権を握るスタイルを貫けるかが今回の遠征の大きなテーマ。「ボールをどれだけ持てるか分からないけど、チャレンジすることが大事。引いて戦う時も必要で、意図的であれば問題ない」。より成熟したチームで柔軟に戦い、現在地を確認する。
自身の立ち位置が勝負のキーとなる。高いポジションを取り続けていれば、相手を押し込んでいる証拠。「攻撃で個を生かしやすい」とその状況を望む。むやみに下がらずに、ゴールに近い位置でのプレーを心がけ、強敵にもその戦い方が通用することを証明する。
自身の持ち味が出しやすい相手だ。中南米特有の飛び込んでボールを奪いに来る守備には、武器の突破力が効果的。「食いついてくる相手だと思うので、うまく利用して、しっかりと試合の中でスピード感を見ながらやりたい」。合流から2日間は別調整も状態は上向きだ。この日はフルメニューを消化し「大丈夫です」と言い切った。
4年前の記憶がよみがえる。21年の東京五輪3位決定戦で0-3の後半17分から途中出場すると、同33分にドリブルで2人を抜き去り、左足でネットを揺らした。チームは敗れたが、世界の舞台で自身の名をアピールする一撃となった。
そこから説明不要の進化を遂げた。川崎Fから世界に飛び立ち、プレミアリーガーとなってW杯北中米大会の開催国でメキシコと再戦。クラブではトップクラスの猛者たちとしのぎを削る世界に身を置くが、日本代表としては久々のアジア以外と激突する。「貴重な試合なのでどれだけチームの状況を確かめられるか。しっかり良い内容で勝てれば」と再び「メキシコキラー」ぶりを発揮する準備はできている。
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