今年15周年を迎える「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」。9月20日からの開催を前に、福井県福井市のフレンチレストラン「Le jardin(ル ジャルダン)」にて一日限りのスペシャルイベントが開催されました。そこにはフランス料理界の巨匠 アラン・デュカス氏も出席。その様子をお届けします。

「フランス料理の祭典」のスペシャルイベント

ダイナースクラブ フランス レストランウィークとは、毎年全国500以上のフレンチレストランが参加する、日本最大級のグルメイベントで、今年で15回目を迎えます。期間中は対象店舗にて誰でも特別価格で本格フレンチのコース料理が気軽に楽しめます。価格はランチ・ディナーともに3,000円、6,000円、10,000円(税・サービス料込み/レストランによりいずれか価格は異なる)、今年は9月20日から10月20日の31日間開催されます。

フランス レストランウィークを控えた8月30日、フレンチレストラン「Le jardin(ル ジャルダン)」にて、福井の食材と日本酒黒龍のペアリングを楽しむスペシャルイベントが開催されました。料理をふるまうのは堀内亮シェフ。堀内シェフは今年の同ウィークのフォーカスシェフにも選ばれています。

そしてイベントにはフランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏も出席。実は堀内シェフがパレスホテル東京の「エステール by アラン・デュカス」にてスーシェフを勤めていたこともあり今回デュカス氏の参加が実現しました。

デュカス氏は前日に福井県内の生産者を訪問し、福井のテロワールを体感したのだそう。冒頭、前日の生産者とのふれあいの中で昆布の出汁の飲み比べをしたことについて聞かれると、「とてもレベルが高く、十分に理解することが難しかった。今後料理に使えるかどうか研究したい」と話しました。

さらに福井の伝統料理でもある「へしこ」については「フランス料理でどのように使えるかは、はっきり想像ができないけれど、考えてみたい」と話したところで「そろそろみなさんお腹が空いているころじゃないか?」と話を切り上げようとし、会場を笑わせました。

続いて乾杯の挨拶をしたのは福井県の中村保博副知事。福井県はフランス レストランウィークの特別協賛を務めています。中村副知事も「お腹も空いているようですので、早く乾杯しましょう(笑) まずは福井県の食材を召しあがっていただきたいですね」と会場を盛り上げました。

福井県の食材をふんだんに使用した料理の数々

続いて料理とペアリングするするお酒について、堀内シェフと福井の酒蔵である黒龍酒造の八代目蔵元・水野直人氏が解説しました。

「ジャガイモのコンフィ へしこ 奥井海生堂 昆布のジュレ」は食感を残したじゃがいもに、焼いてほぐしたへしこ、昆布のジュレをのせています。あわせるお酒はスパークリング日本酒の「KOKURYU Awa 序」です。

「吉川ナスのグリエ ラタトゥイユ」には焼きナスのアイスを添えました。あわせる日本酒は今年発売された「黒龍 山田錦」。

「六条大麦とイカの温かいサラダ 汐ウニ風味のエキューム」は堀内シェフのスペシャリテ。オープニングからずっと作り続けている人気メニューでもあります。イカと大麦をカットし温かいリゾット風にした上に、泡状にした汐ウニ風味のソースをのせています。

泡状のソースのインパクトが強いことから、あわせるお酒には11月にしか出さないという「黒龍 八十八号」。

魚料理「甘鯛のうろこ焼き 福井県産大豆の煮込み ソースヴァンブラン」は甘鯛のうろこを焼き、身の部分には自家製のすだち胡椒を塗りました。添えられた福井県の大豆の煮込みと白ワイソースにもすだちの風味を活かしています。日本酒はすだちの酸味と合う「ESHIKOTO さかほまれ 生酒」をあわせました。

メインの「若狭牛もも肉のポワレ ペドロヒメネスヴィネガーを効かせた 20年熟成ポルトソース」は焼いた牛のもも肉に20年熟成のポルトルージュソースを添えています。牛肉の料理には赤ワインが良いとのことで、メインのみあわせるお酒は「Château des Annereaux Lalande-de-Pomerol 2006」が提供されました。牛肉のカットにと提供されたナイフは福井県越前市「高村刃物製作所」のものです。

途中、福井県坂井市長の池田禎孝氏も登場。福井県坂井市は、越前がに、甘えび、丸岡在来そばなどが有名で、美食の観点から都市を表彰する「美食都市アワード2025」も受賞しています。池田市長は「福井県ほど素晴らしい食材がそろう県は他にはないと思っております。『美食都市アワード2025』の受賞を機に、全国の皆様をお呼びしたいですね」と挨拶しました。

食後には巨匠へのサプライズも

デザートには福井県のお米を牛乳で炊いた「リオレ」、さらに上にチョコレートとバニラアイスを添えています。ペアリングはデザートにあわせることの多い日本酒貴醸酒「九頭龍」です。

その後、コーヒーとともに、焼き菓子として福井の梅を使ったゼリー、六条大麦をプラリネクリームにしたプチシュー、シャインマスカットのタルトを楽しみました。

コーヒーと小菓子

コーヒーと小菓子

すると、堀内シェフからデュカス氏へのサプライズが! なんとデュカス氏に提供された小菓子はプレートに似顔絵が描かれたものだったのです。

思わず目頭を熱くするデュカス氏。会場も感動の空気に包まれたのでした。

三井住友トラストクラブ社長「レストランウィークで秋の味覚を楽しんでほしい」

イベントの終盤には三井住友トラストクラブ代表取締役社長の五十嵐浩司氏が登場。実は福井県出身の五十嵐氏は、「年齢を重ねるごとに郷土愛が増してきたように思いますが、私も福井県人として今日このイベントに参加できて本当に嬉しく思います。福井は食材が豊かですし、優れたシェフの方もたくさんいらっしゃいます。レストランウィークではぜひいろんなお店で秋の味覚を楽しんでください」と結びました。

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