まだ世界的な知名度は得ていないものの、次世代を担うポテンシャルを秘めた逸材を紹介する「Hidden Gems FC」。今回は、コリチャンスFWユーリ・アルベルトにスポットライトを当てる。
ユーリ・アルベルトとは何者?
今年3月に24歳となったユーリ・アルベルト。16歳でプロ契約を結んだ逸材は若くしてあまりにも多くのことを経験したため、実年齢よりも多く歳を取っていると錯覚する人も多いはずだ。それでも24歳となった今、実績とゴールを積み重ね、数多くのヨーロッパクラブが注目するNo.9へと成長した。
現在関心が伝えられるのは、プレミアリーグ勢はもちろん、ローマやアトレティコ・マドリーといった強豪クラブ。若くして大きな注目を集めながらキャリア初期に様々な苦労を経験してきたブラジル人FWだが、ようやくその才能を世界的な舞台で披露するタイミングが訪れたのかもしれない。
文=タウアン・アンブロージオ
すべての始まり
サンパウロ郊外のサン・ジョゼ・ドス・カンポスで生まれたユーリ・アルベルト。幼い頃からフットボールに夢中であり、最大のロールモデルである父親のアマチュアの試合をよく観戦していたという。そしてその父彼にとって最初のコーチとなり、幼い頃から逆足(左足)でのシュートも練習させていたようだ。
父の指導もあって両足でのフィニッシュ、そして特別な身体能力はブラジルの名門の注目をすぐに集めた。2013年、ネイマールがバルセロナへと移籍した年にサントスへと加入。母と姉妹と共にクラブ施設に近いバイシャダ・サンティスタへ移り住み、父は息子の夢を支えるため複数の仕事を掛け持ちした。ペイシェ(サントスの愛称)のユースアカデミーではロドリゴ(レアル・マドリー)ともプレーし、わずか16歳でトップチームに昇格する。当時からアーセナルやマンチェスター・ユナイテッドの関心を集めるような逸材だった。
しかしトップリーグでの戦いに適応できず、出場機会は減少。監督交代に伴いクラブが不安定な時期を迎えていたこともあって、ユースとトップチームを行き来することに。契約満了が近づくにつれて、移籍は避けられない状況に陥っている。
WACOCA: People, Life, Style.